安倍氏“銃撃現場”に奈良市長がモニュメント設置構想 賛否両論で識者はどう考えるか

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 安倍晋三元首相(享年67)が奈良市内で銃撃された問題で、奈良市が事件現場に追悼モニュメントなど「事件の記憶を風化させない整備」を行うかどうか、検討を重ねている。

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 9月14日にはテレビ朝日がニュース・情報番組「グッド!モーニング」(平日・4:55)で、仲川げん・奈良市長(46)の構想について放送した。

 このニュースで奈良市の動きを初めて知ったという視聴者は少なくなかったようで、更に広範な議論を呼びそうだ。担当記者が言う。

「実は関西のローカルニュースとしては以前から報道されています。7月26日に仲川市長が記者会見で、『歴史的な事件が起きた場所として記録することは必要』という考えを示したのです」

 8月3日には奈良市議会の建設企業委員会でも議論となった。市側は「事件を形に残すことは賛否両論ある」とした上で、「記録の形や財源などについて、市民の代表や有識者の意見を聞き、方法を検討したい」と説明した。

 仲川市長は共同通信の取材に応じ、8月8日に記事が配信された(註)。記事のポイントを要約してご紹介する。

◆市長は演説中だった安倍元首相の横で事件の一部始終を目撃した。

◆市長は《事件を記録し後世に伝承する必要がある》との認識を示した。

◆市民からは「追悼のためのモニュメントや献花する場所を現場に設けてほしい」という声が多い。

Twitterでも議論

◆市長は《個人的な考え》とした上で、《現代アートなどの抽象的な芸術作品や花壇を設置すること》を挙げた。

◆一方、《「つらい思いを固定化することは避けてほしい」》など、現場の整備に反対する意見も少なくない。

◆市民や有識者から幅広く意見を聴き、9月に最終判断する。

 ちなみに、奈良市役所に取材を依頼すると、9月9日現在、寄せられた市民の声は、賛成が16件、反対が43件だという。

 Twitterで検索してみると大量の投稿が表示され、人々の関心は高いようだ。賛否両論の議論が起きているが、賛成意見と反対意見を、それぞれ1つずつご紹介しよう。

【賛成】
奈良の遭難現場にはプレートや銘板を設置すべきですし、銅像や記念館もあって当然です

【反対】
安倍晋三元総理が亡くなった事に個人がお悔やみする事は自由だけど、モニュメントはまずくない? 亡くなった根本は統一教会がどのような団体か分かってて利用してた事が事件の発端なんだから

 防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏は、安倍氏との“縁”が深い。2007年、首相だった安倍氏の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の有識者委員を務めたことはよく知られている。

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