皇室は英国王室にならって「情報公開すべき」 なぜ「ダイアナ事件」後に信用回復できた?

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 70年にわたり君臨した英国のエリザベス女王が8日、96歳で亡くなった。皇室とのゆかりも深く、19日に営まれた国葬には天皇皇后両陛下が出席された。一方、11日には秋篠宮家の紀子妃がお誕生日を迎えられたのだが、そこにはご苦悩がにじみ出ており……。

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 訃報がもたらされた日本時間の9日は、宮内庁も慌ただしく動いていた。

「女王の葬儀について、儀式・交際を司る式部職から説明があったのですが……」

 とは、宮内庁担当記者。それによれば、

「外国元首の葬儀に陛下が参列されるのは異例のことであり、慣例に従えば秋篠宮ご夫妻のご出席となるのでは、といった見通しが示されていました。一方で、肝心の陛下のご意向について“今はお伺いする段階ではない”としながらも“陛下が(ご出席への)強いお気持ちをお持ちであれば、わからない”と、可能性を示唆していたのです」

 ほどなく公表された陛下のお気持ちには、女王の功績への感謝とともに、

〈私の英国留学や英国訪問に際しても、さまざまな機会に温かく接していただき……〉

〈私の即位後初めての外国訪問として、私と皇后を英国にご招待いただいたことについて、そのお気持ちに皇后とともに心から感謝しております〉

 そうつづられていたのだった。

「心よりのご追悼とはいえ、陛下がここまで“個”を前面に出されてお気持ちをあらわになさるのは珍しい。これを受け、庁内は陛下のご参列へと一気に傾いていったのです」(同)

英国王室が広報に力を入れたきっかけ

 ロンドンのウエストミンスター寺院で国葬が営まれたのは19日である。海外の王室に詳しい関東学院大学の君塚直隆教授が言う。

「英国内には老若男女を問わず悲しみが広がっていますが、これはこの四半世紀で王室が力を注いできた広報・情報発信の賜物だと思います」

 1997年8月、ダイアナ元妃が不慮の死を遂げる。それにまつわるチャールズ皇太子(当時)の不倫など一連の「事件」で、英王室は国民から猛烈なバッシングを受けていた。

「女王が当初、ウィリアム王子やヘンリー王子を気遣って沈黙を貫いていたこともあり、批判は過熱。中には“王室で慈善事業に携わっているのはダイアナぐらいだ”といった論調も見られました。実際には王室は積極的にチャリティーに関わっており、ダイアナ妃が携わったのは最晩年だったのですが、当時は広報活動が圧倒的に不足していました。そこで“批判されるのは『国民は王室を理解してくれている』とあぐらをかいていたからだ”との反省に立ち、本当の姿を知ってもらおうと女王以下、広報に力を入れ始めたのです」(同)

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