国葬参列の天皇皇后両陛下は「イギリス留学」のご経験 若き日のそれぞれの思い出とは

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 天皇陛下(62)と皇后雅子さま(58)は、今日9月19日にエリザベス女王(享年96)の国葬に参列される。日本の皇室とイギリスの王室が深い絆で結ばれていると再認識された方も多かっただろう。それに加えて、両陛下ともイギリスという国に多くの思い出をお持ちのようだ。

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 国葬の参列となれば、たとえ両陛下といえども緊張されるかもしれない。だが、何かの拍子にイギリスでの思い出話に花が咲くこともあるのではないか──こんな想像をしてしまうほど、両陛下は“青春の一コマ”を彼の地で過ごされたのだ。

 1982年、天皇陛下は学習院大学文学部を卒業され、同大大学院に進まれた。当時は昭和天皇(1901〜1989)がご存命で、国民は敬愛を込めて「浩宮さま」とお呼びしていた。

 そして浩宮さまは83年から85年にかけて、イギリスのオックスフォード大学マートン・カレッジに留学されたのだ。担当記者が言う。

「長い皇室の歴史でも、海外留学の経験をお持ちなのは、今の天皇陛下だけです。短期留学でなかったのも大きな特徴でしょう。2年間じっくりとテムズ川の水運史を研究されました。陛下は通訳なしで世界の要人と流暢な英語で会話をされます。留学で陛下の英語に磨きがかかったことは言うまでもありません」

 更に陛下は、大学が休暇に入るとイギリス国外にも足を伸ばされ、スペインやノルウェー、オランダの王族を訪問して交流を持たれた。

「各国王族との深いご交流は今でも続いておられます。読売新聞の記事では外務省の幹部が、『任期のある政治家や外交官では到底できないことだ。友好親善において非常に有意義だ』と脱帽しています(註1)」(同・記者)

 語学力の向上、水運史の研究、各国王族との交流、見聞を広めるイギリス生活──こんな風に列挙すると、陛下は真面目一辺倒の留学生活を過ごしておられたように思ってしまう。

「すべてよい思い出です」

 だが「勉学ばかり」というわけではなかった。陛下の留学生活は、まさに「よく学び、よく遊べ」を地で行くものだったようだ。

「陛下を指導した教員は誰もが『あれほど研究熱心な学生はいなかった』と太鼓判を押しました。一方、同級生は陛下の違う面も見ていたようです。陛下はパブを好まれ、定番ビールの“ビターエール”を愛飲。安価なインド料理やポテトチップスも気に入られたそうです。いずれも日本では実現の難しいことばかりと言えます」(同・記者)

 雅子さまが皇太子妃に内定されたのは1993年。産経新聞はこの年の1月、「『すばらしいカップル』、思い出の地でも歓迎-英・オックスフォード」の記事を掲載した。一部を引用させていただく。

《皇太子さまは、オックスフォードでは「ふつうの学生」の一人として生活できることが楽しくて仕方ないようだった。「スーパーでジャンパーを買われたり、オペラに行かれたり…。二日に一度はレコード店や書店に足を運ばれ、長い時間をかけて選ばれていた」》

 1986年2月、天皇陛下は皇太子として26歳の誕生日を迎えられ、その前に記者会見に応じられた。前年の85年に留学を終えられたということもあり、記者団に率直な感想を吐露された。

《「オックスフォードでの留学生活で経験したことは、すべてよい思い出です。今はあのころのようにパブに行くとか、買い物に行くとかいった自由な行動はなかなかできませんが、向こうでは1学生で、こちらは皇族と立場が違いますので、多少の制約はしかたがないと思います」》(註2)

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