三冠王「村上宗隆」が苦手とするセ・リーグ投手は誰か 調べて分かった意外な事実

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球団別に見ると

 球団別にみると、村上対策に最も長けているのは読売であった。対戦打数を5以上に緩和すると、菅野やシューメーカー以外にも戸郷翔征(7打数2安打=2割8分6厘)、堀田賢慎(7打数1安打=1割4分3厘)、今村信貴(5打数1安打=2割)、鍬原拓也(5打数0安打=0割)と打率3割以下に抑えている投手が4人もいる。逆にローテーション投手で村上と相性が悪いのは6打数3安打で5割打たれているメルセデスのみ。チーム全体では、84打数23安打8本塁打28打点22三振20四球2死球で打率は2割7分4厘と打率3割以下に抑えることに成功している。18年ぶり、史上最年少での三冠王にひた走る村上の前に読売投手陣が大きく立ちはだかることになるのか。

 これに次ぐのが阪神タイガースだ。7月31日の甲子園球場で“3打席連発弾”を浴びるなど、ここぞの場面で打たれている印象が強いが、全体での対戦成績は68打数20安打7本塁打17打点19三振15四球1死球で、打率は2割9分4厘。こちらも打率3割を切っている。読売同様に対戦打数を5以上とした場合、西純矢と伊藤将司(ともに6打数1安打=1割6分7厘)、岩貞祐太(5打数1安打=2割)、そしてガンケル(5打数0安打=0割)とこちらも4投手の名が浮上。なかでもガンケルは読売の鍬原と同じ5-0で1本のヒットも許していないが、打席数なら9打席勝負して結果的に与四死球4。かなり警戒していることが分かる。

 ここからは村上の“得意球団”ばかりが並ぶ。順に86打数30安打13本塁打26打点26三振19四球で被打率3割4分9厘の広島、69打数25安打8本塁打22打点12三振19四球3死球で被打率3割6分2厘の横浜DeNA、そして75打数30安打13本塁打26打点16三振15四球で被打率が4割に達してしまっている中日ドラゴンズである。

 この3球団の中で5打数以上対戦して村上を抑えているのは、広島なら前述した大瀬良と九里に加えて野村祐輔(6打数1安打=1割6分7厘)と松本竜也(5打数1安打=2割)の2人。横浜DeNAも前述した大貫と上茶谷以外なら、左腕エースの今永昇太(7打数2安打=2割8分6厘)のみだった。中日に至ってはローテーション級の投手がことごとくエジキになっており、打率3割以下に抑えているのは中継ぎ左腕の福敬登(5打数1安打=2割)だけだ。

 ほかに村上にやられている投手としては、広島では20年新人王の森下暢仁(14打数7安打=5割)や床田寛樹(7打数4安打=5割7分1厘)、横浜DeNAなら濵口遥大(5打数2安打=4割)、中日なら沢村賞左腕の大野雄大(8打数3安打=3割7分5厘)や小笠原慎之介(14打数7安打=5割)というように、3球団とも主戦投手は現段階でほぼ総崩れ状態といえる。

 結果的に村上を3割以下に抑えている投手として18人の名が挙がったが、ここで面白い事実がある。18人中13人が右投手なのだ。村上対左投手の対戦打率が3割6分6厘なのに対して右投手は3割2分3厘と4分以上の開きがある。一般的に左打者は左投手に弱い・苦手というのが定説なのだが、村上には当てはまらないというわけだ。となれば、逆に現在苦手にしている右投手をどう攻略するかが、最年少三冠王を確実にするためのポイントといえるのかもしれない。直近のジャイアンツ戦でエース・菅野を打ち込んだように、さらなる進化を遂げつつある“村神様”に期待したい。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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