三冠王「村上宗隆」が苦手とするセ・リーグ投手は誰か 調べて分かった意外な事実

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 9月13日の読売ジャイアンツ戦(神宮球場)で、東京ヤクルトスワローズの若き主砲・村上宗隆内野手(22)がついに日本プロ野球史上歴代2位タイのシーズン55本塁打をはなった。歴代1位であるバレンティン(2013年・東京ヤクルト)の60本を射程圏内に捉えている状況だ。残る打率次第では、令和初にして史上8人目、そして史上最年少での三冠王獲得が現実味を帯びてくる。

 この若き怪物スラッガーを止める投手はいないのだろうか? 今季のセ・リーグ投手陣の中で“対村上”で相性のいい投手を調べてみた。1試合平均で4打数を対戦するとして、2試合分=8打数以上対戦し、かつ打率3割以下に抑えている投手を対象にすると、6名が挙がってきた(文中の成績は9月15日時点のものである)。

 まず6位は、広島東洋カープの九里亜蓮だ。対戦成績は10打数3安打で、打率はジャスト3割。判定基準を3割以下にしたことでなんとかランクインした形となった。しかも喫した3安打のうち2本が本塁打だった。対戦した全17打席中で7四球を与えていることから、村上には神経を使っていることが分かる。

 5位と4位はともに読売の投手である。菅野智之とシューメーカーだ。まず菅野の対戦成績は、11打数3安打で打率は2割7分3厘。三振も2つ奪っており、まずまず抑えているが、9月13日の試合で54号ソロを含む、2打数2安打と打ち込まれてしまった点が惜しかった。この試合の前までは、9打数1安打0本塁打1打点2三振2四球で、打率わずか1割1分1厘。打たれた1本も単打で、最も優れた“村上キラー”だったのである。とくに、8月30日の試合で村上の15打席連続出塁を阻止するなど活躍しただけに、残念だった。

 シューメーカーは12打数3安打で、打率2割5分。許した3安打中1本は本塁打で、三振を2つ奪っているのは菅野と同じ。だが、3四球を与えている菅野に対し、シューメーカーは四死球0。逃げずに勝負し、なおかつ抑え込んでいるというわけだ。心配なのは8月下旬に不調で2軍落ちしてしまった点だろう。ここまで村上に対して圧倒的な強さを誇っているだけに、この終盤戦、1日も早い1軍復帰が期待される。

“村上キラー”は意外な選手

 3位は、横浜DeNAベイスターズの大貫晋一である。対戦成績は15打数3安打で打率2割。許した3安打のうち2本は本塁打なのだが、5三振を奪っている。これは村上と対戦した全セ・リーグの投手中最多だ。9月11日の試合前までは12打数3安打で打率2割5分だったが、この試合で3打数0安打に抑えて数字を上げた点も注目したい。

 2位も横浜DeNAの投手で、上茶谷大河だ。対戦成績は11打数2安打1打点で、打率1割8分2厘に抑えている。打たれた2安打は二塁打と本塁打。ともに長打で奪った三振は0ではあるが、与えた四死球もわずか2。優れた“村上キラー”といえよう。6月8日の北海道日本ハムファイターズ戦で左足首を捻挫し、登録を抹消されていたが、9月9日の阪神タイガース戦で先発を任され1軍復帰し、5回2失点で5カ月ぶりの勝ち星を挙げている。勝負所の終盤戦、チームとしては村上に対してこれ以上ない相性を誇る、頼もしい右腕が帰ってきた。

 注目の1位は、意外な選手だった。広島の大瀬良大地である。その対戦成績は8打数1安打1本塁打1打点1三振0四死球で、打率わずか1割2分5厘。9月9日の試合で3打数1安打1本塁打と打たれてしまったものの、それまでは5打数0安打1三振と完璧に抑えていた。“村上キラー”と呼んでいいだろう。

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