巨人 ポランコ、ウォーカーの起用法に疑問 30本は打てた?【柴田勲のセブンアイズ】

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巨人の強みは「空中戦」

 5位・巨人が3位・阪神とのゲーム差を「2」としてクライマックスシリーズ出場への道を残している。

 11日の広島戦(マツダ)では中田翔が3試合ぶりとなる20号を放って丸佳浩、岡本和真、アダム・ウォーカー、グレゴリー・ポランコとともに20本に乗せて、2007年の高橋由伸、阿部慎之助、小笠原道大、イ・スンヨプ、二岡智宏以来、15年ぶりとなる20本塁打打者5人となった。

 今季の巨人を振り返るには少し早いが、相手チームが最も脅威とする「空中戦」をもっと貪欲に徹底すべきではなかったか。

 確かに「空中戦」はもろいところがあるが、足を使うなどの細かい野球はあくまで補助で巨人の強みは一発攻勢だ。

 タイムリーで得点するよりも走者をためての一発がメインだ。今年は坂本勇人、吉川尚輝らケガ人が出た。コロナ禍があった。そこでファームから若い選手を引き上げて起用するなど試行錯誤を重ねた。だが結局は相手チームが怖がる野球ができなかった。

ポランコとウォーカー

 開幕前、私は「坂本、丸、岡本和の三人をシーズン通して順番はともかく固定して使ってほしい。三人が並ぶのは相手が一番嫌がる」と記した。4番はもちろん、岡本和の固定が理想だ。そして5番・ポランコ、6番・ウォーカーが続く。7番には中田か中島宏之、捕手を外れた時の大城卓三、この三人のだれかが入る。理想のオーダーを描いた。

 だが打力優先で獲得したはずのポランコは左投手が先発の時は外されることがたびたびあった。9日の中日戦では大野雄大が先発したがスタメン出場した。相性からだろう。ウォーカーも右投手が先発の際は外れるケースがあった。不調の際はファームでの再調整を命じられている。

 ポランコはMLBでは8シーズンを通じて規定打席に3度到達し、通算96本塁打を放っている。98個の盗塁も記録した走れる大砲候補だった。ウォーカーにしてもメジャーの経験はないが独立リーグで本塁打王とシーズンMVPを獲得している。パワーがあれば脚力だってある。打線強化を期待されての入団だったと思う。

 でも、このような起用法では乗ろうにも乗り切れない。二人はずっと出場し続けていたら30本は打っていたのではないか。

 原辰徳監督にすれば、気分転換や雰囲気を変えたい。こんな考えがあったのだろうが、ポランコとウォーカーの二人に関しては我慢して起用し続けてほしかった。打者の好調は2、3週間は続くが、一度悪くなったら周囲がどれだけカバーできるかだ。多少悪くなっても対応策はあるものだ。

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