五輪汚職事件のウラに「特捜部VSマスコミ」の暗闘 死刑執行と同日に「高橋治之容疑者」強制捜査は異例中の異例

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 東京五輪を巡る汚職事件は、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が9月6日、出版大手「KADOKAWA」側から約7600万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄容疑で再逮捕され、立件された賄賂額は計1億2000万円超となった。過去の贈収賄事件と比べても異例の高額だが、東京地検特捜部の捜査も異例の経緯をたどっている。

日本最強の捜査機関

 特捜部は6日、KADOKAWAの元専務ら2人を贈賄容疑で、高橋容疑者を受託収賄容疑で再逮捕し、同社や元専務らの自宅などの捜索に踏み切った。だが、前日の5日には大手広告会社「大広」を贈賄容疑で捜索しており、大手新聞社の担当記者は「大広への強制捜査に乗り出しながら、翌日は別のKADOKAWAルートで逮捕した。マスコミをかく乱させようという検察の意図が見え見えだ」と分析する。

 東京地検特捜部は政官財の捜査を手がけ、政治家や官僚らの汚職事件を摘発するなど「日本最強の捜査機関」と称される一方、情報の保秘が徹底され、マスコミからの取材に対するガードも高いことで有名だ。新聞社やテレビ局の検察担当、いわゆる「P担当」には、各社の社会部のエース級が投入されるものの、警察と違って検事の口は相当堅く、「担当期間中、一度も独自ネタを取ることができなかった」といった話も珍しくはない。

 しかし、7月20日朝刊で読売新聞が、「みなし公務員」の組織委理事だった高橋容疑者に、大会スポンサーの紳士服大手「AOKIホールディングス」から多額の資金提供があった疑惑を特報。このため、内偵捜査を進めていた特捜部は、捜査対象の高橋容疑者やスポンサー企業、広告会社のみならず、マスコミ報道にも神経をとがらせる必要に迫られた。

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