名古屋高速バス事故、運行会社の“驚愕の実態” 5年で2回も違反行為、危険運転が頻発

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 あの惨事から2週間が経つが、未だに事故原因はハッキリしていない。先月22日、愛知県名古屋市で発生した高速バス事故。運転手と乗客あわせて2人が亡くなったが、車体は横転炎上して、当初は遺体の身元が特定できないほどだったという。真相究明への道程は長くなりそうだが、事故を機に、地元では運行会社への悪評が表立って聞こえてきて……。

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「中央分離帯にぶつかったこと自体は、運転ミスなのではないかということです」

 そう語ったのは、事故を起こした運行会社「あおい交通」(本社・小牧市)の松浦秀則社長(65)だ。事故直後に開かれた会社側の謝罪会見での発言だが、これにはネット上でも疑問の声が溢れたのである。

過去5年で2回も違反行為

 県警担当記者が言う。

「事故直前、県営空港に向かっていた高速バスは、左右にふらつきながら走行し、現場周辺には目立ったブレーキ痕がなかったことが捜査の中で明らかになりつつあります。運転手に何らかの体調不良が起きた可能性も否定できませんし、会社側が“部下のミス”と決めつけるような社長発言は、組織的な責任を逃れようとしているのではないかと、世間から批判されているのです」

 実はこの運行会社、所管する国交省中部運輸局から過去5年の間に2回も違反行為を指摘され、行政処分の対象となっている。

 一つ目は2017年5月30日付、路線バスが終点へ到着する前のバス停で勝手に運行を取り止めていたため。19年5月29日付のものでは、バスの車検を通さず運行していたことも露見し、車両の使用停止処分を受けていた。

 おまけに同運輸局管内の乗合バス事業者189社中、これらの違反で処分を受けたのは同社だけと聞けば、いかに普段からずさんな体制だったかが分かる。

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