連日のように報じられる“撮り鉄”によるトラブル SNSでマスコミに反論するのがトレンドに

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脚立問題

 ちなみにデータベースで「撮り鉄 脚立」というワードで検索すると、約50件の記事が表示された。

「ところが、一部の大手マスコミは、撮り鉄が公道に置いた脚立も問題視したのです。大手マスコミも事故や事件が起きると、様々な撮影現場で脚立を使用します。時には3メートルを超える巨大なものも登場します。これに一部の撮り鉄が、『鉄道会社に注意されるのは分かるが、マスコミが他人のことをとやかく言えるとは思わない』という主旨の投稿をSNSで行っているのです」(同・編集者)

 新聞社やテレビ局に勤務するプロのカメラマンが“職務”として脚立を使うのと、アマチュアの“撮り鉄”が使うのを一緒にしていいのか、賛否両論はあるだろう。だが、反論する撮り鉄も、そんなことは先刻承知なのかもしれない。

「やはり大手マスコミによって、『撮り鉄は非常識で話の通じない、おかしなオタクの集まり』というイメージが持たれてしまったのは事実でしょう。一部の撮り鉄が問題行動を引き起こすのは事実なので、これまで彼らは表立った反論は控えてきたようです。しかし近年、特にテレビが撮り鉄を“イジる”報道が増えたことで、彼らも黙ってはいられなくなったのではないでしょうか」(同・関係者)

フジテレビに批判

 取材の手法を巡って、大騒動に発展した事例もある。千葉県を走る第三セクターの「いすみ鉄道」(本社・大多喜町)で、フジテレビの取材手法や報道内容に問題があるとTwitterで投稿され、大きな反響を呼んだのだ。

「2021年12月、フジテレビは夕方のニュース番組などで、『いすみ鉄道で、一部の撮り鉄が立ち入り禁止の私有地で撮影を行うなど、迷惑行為が相次いでいる』と報じました。ところが、取材クルーから『鉄道敷地内で撮影していますね』と声をかけられた男性が町役場で土地所有の状況を調べてみると、実際は公道の一種だと判明したというのです」(同・関係者)

 男性は調査結果をTwitterで発表すると、賛意を示す投稿で溢れた。こうなると、いすみ鉄道も無視するわけにはいかなかったようだ。

 フジテレビの報道内容には触れなかったが、公式サイトで《お客さまには不信感を与えてしまうこととなり、ご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます》と謝罪した。

 もちろん誤報を指摘するのは、当然の行為だ。とはいえ、悪化した撮り鉄のイメージを回復させるのは、そう簡単なことではないらしい。

「Twitterで『撮り鉄 気持ち悪い』という文言で検索すると、悪口雑言の投稿が信じられないほど大量に表示されます。これを改善するには、『言うべきことは言う』と反論したほうがいいのか、これまでと同じように無視して、ひたすら受忍したほうがいいのか、鉄道ファンの間でも議論は割れています」(同・編集者)

デイリー新潮編集部

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