連日のように報じられる“撮り鉄”によるトラブル SNSでマスコミに反論するのがトレンドに

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地下鉄でも乱暴狼藉

「もう一つは、SNSの発達でしょう。撮り鉄の問題行動そのものは昔からあった。ただ、それは趣味を同じくする“撮り鉄サークル”の中で言及されるだけで、外部に伝わることはありませんでした。ところが、誰もがSNSに投稿できる時代になると、一般の人も撮り鉄の乱暴狼藉を知るようになってしまったのです」(同・編集者)

 新聞記事のデータベースで調べてみると、2010年ごろから撮り鉄のマナー違反が記事になっていったようだ。

 代表的なSNSであるTwitterは、2006年に誕生しサービスが開始された。時系列としては矛盾がないことになる。それでは当時掲載された、各紙の見出しを紹介しよう。

◆「撮り鉄」節度を 踏切侵入、はねられ死亡…目立つマナー違反 JR、対策に躍起(朝日新聞・2009年3月14日)

◆「撮り鉄」運行妨害問題 JR西 異例の被害届提出へ(産経新聞・2010年2月16日)

◆撮り鉄 マナー守って 500系のぞみ引退でラッシュ ホーム押し合い 東京駅(東京新聞・2010年2月26日)

「ドクターイエローの問題が勃発した同じ8月には、東京メトロの駅構内で脚立を使って撮影しようとする撮り鉄の男が動画に撮影され、やはりTwitterで拡散されました。男は脚立に乗り、何とホームドアを乗り越えるような格好でカメラを構えようとしたのです」(同・関係者)

撮り鉄の暴言

 駅員は男が脚立に乗る前から危険だと注意していた。だが、男は全く耳を貸さなかった。

「仕方なかったのでしょう、駅員は男を脚立から引きずり下ろしました。確かに動画を見る限り、男の身体が線路側に傾けば、転落してもおかしくない状態でした。こうした行動が非常識であるのは言うまでもありませんが、信じられないことに、男はあべこべに駅員へ罵声を浴びせたのです」(同・関係者)

 その罵声も酷い。「なに邪魔してんるんだよ! オマエいい加減にしろよ! どんだけ待ったと思ってんだよ! カスがよ!」と怒鳴り散らしたのだ。

 当然ながらTwitterでは批判の声が溢れた。《撮り鉄は何様のつもりじゃ》、《人身事故が起きたらどうすんだよ》、《撮り鉄でなくクズ鉄》──。

「こんな男は批判されて当然ですが、『マスコミは脚立問題を過剰に報道しすぎ』という反論が、撮り鉄から出るようになっています。前提として、鉄道各社は駅構内などでの脚立を用いた写真撮影を禁止しています。このため、新聞やテレビなどの大手マスコミは、『脚立を使う撮り鉄はけしからん』という報道を続けてきました」(同・編集者)

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