東京地検特捜部に狙われる森喜朗元首相 因縁の元国会議員が語る「ステーキ屋会食」の意味

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故・高橋氏と「牛若丸」の奇縁

「複数のメディアが、『AOKI側は会食でのやり取りを録音しており、特捜部が押収した』と報じています。また、高橋元理事は取り調べに対し、『森元首相にAOKIをよろしくとは依頼していない』と否認したと報じられているほか、森元首相もマスコミの取材に『回答は控える』としています」(同・記者)

 ちなみに高橋元理事の弟は、「総資産1兆円のリゾート王」と呼ばれた高橋治則氏(1945~2005)だ。

 高橋治則氏はイ・アイ・イ・インターナショナルの社長としてリゾート開発に傾注した。資産は膨張を続けたが、バブル崩壊で資金繰りが悪化。代表理事を務めるなど深い関係にあった東京協和信用組合と安全信用組合から迂回融資などを受けていた。

 1994年に両信組は破綻。95年6月、高橋治則氏は背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された。

 この二信組事件に関与したとして、山口敏夫元労相(81)も業務上横領などの容疑で逮捕された。山口氏といえば「政界の牛若丸」「珍念」というニックネームを覚えている方も多いだろう。

 山口氏は2006年12月、最高裁が上告を棄却するなどしたため、懲役3年6カ月の実刑が確定。07年3月、東京地検に出頭し、収監された。

噴飯物の回顧録

 山口氏が高橋兄弟を知っているというだけでも奇縁のはずだが、まだまだ他にも不思議な結びつきがある。

「山口さんは1967年に衆院選で初当選すると、当時の三木派(註3)に入りました。それから新自由クラブを経て、自民党に復党すると中曽根派(註4)に加わります。ところが山口さんは『安倍晋太郎(1924~1991)を首相にしてみせる』と一貫して発言していました。そのため、清和政策研究会(今の安倍派)の議員とも親しく、森さんのことは間近で見続けてきたのです」(同・記者)

 更に山口氏は、「週刊新潮」の誌面で、何度も森元首相を批判してきた。

 実は森元首相、2013年に出版した『私の履歴書 森喜朗回顧録』(日経BPマーケティング)で、呆れた“自慢”を滔々と語っているのだ(註5)。

《早稲田の商学部を受験した。合格点には達していなかったかもしれないが、足らざるところはラグビー部推薦でゲタを履かせてもらったのだろう》

《試験では白紙の答案を出し、最後に「天下の水野社長は前途有為な青年をつぶしてはならない」と書き加えた(中略)間もなく産経から正式な採用通知が来た》

 つまり早稲田大学も産経新聞も“裏口”から入ったと、ご本人が堂々と言っているのだ。

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