亀田興毅が始めた日本初「現金払い」興行はなぜ画期的か ギャラは「従来の2倍」を保証

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 2008年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧(35)が14日、大阪市内でプロボクシングのデビュー戦となるヘビー級4回戦を勝利で飾った。

 ただ、あいにく本記事の主役は石井ではない。

 元3階級世界王者の亀田興毅(35)。石井の一戦を含むイベント「3150FIGHT」は、プロモーターライセンスを取得したばかりの亀田にとっての“デビュー興行”でもあった。

 今後、プロモート活動に専念するという彼の新たな肩書きは“ファウンダー”。聞き慣れない言葉だが、

「“プロモーター”という響きがダサいと感じたようで。まあ、新庄“ビッグボス”みたいなもんですよ」

 とボクシングライターが解説する。

 この興行、プロボクサーたちが拍手喝采しているという。

 その理由は、

「ファイトマネーが現金払いだからです」

 どういうことか?

「実は、村田諒太や井上尚弥のようなスーパースターは例外として、ほとんどのプロボクサーはファイトマネーを“チケット”で受け取っているんです」

国内1桁ランクでも年収は…

 例えば、ファイトマネーが30万円とする。ちなみにこれは国内ランキング1桁レベルの選手の相場。だが、選手は30万円の現金を受け取れるわけではない。一部ないし全額に相当するチケットを受け取るのだ。

「ボクサーは、試合が決まると同時に新たな仕事が始まる。それはチケットの営業。知り合いはもちろん、SNS上で“買ってくれる人はDM(ダイレクトメッセージ)を送って”と、自分経由でチケットを購入するよう呼び掛けるのです」

 そして、購入意思を示したファンに振込先を知らせる。暫時、入金確認をする。チケットを発送する。その際に、“ご購入ありがとうございます。今後とも応援よろしくお願いします”なんていう直筆のメッセージを添えたりもする。そんなこんなジムもとい事務作業を、彼らは過酷な減量の傍ら行っているのである。

「なので、亀田ファウンダーがぶち上げた“ファイトマネー現金払い”は、画期的な制度なのです」

 更に言うと、体力や精神力を極限まで消耗するボクシングの試合は、せいぜい年に3回くらいしか行えない。つまり、国内1桁ランクの選手ですら年収は90万円(相当のチケット)にしかならない。それが、

「3150FIGHTでは、“相場の2倍のファイトマネーを払う”と公言。実際に、ランク別に受け取れる金額の表も公表しています」

 既に著名な選手を含む多くのボクサーが出場意欲を表明しているのだとか。

週刊新潮 2022年8月25日号掲載

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