イチロー、武豊、蜷川幸雄… 水谷豊が明かす“華やかすぎる”交友録と“秘話”

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「これまで嫌な俳優に会ったことがない」。そう語る水谷豊の周りには、役者にとどまらず実に多彩な人々が集(つど)う。芸人にアスリート、世界的な芸術家……。70歳になった水谷が初めて来し方を振り返る集中連載の第2回では、華やかにして興味深い交友録を独占告白する。(取材・文:松田美智子)

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「いつかは終わる人生ならば、できる限り笑って過ごそうと思っています」

 7月に70歳を迎えた水谷豊は、自らの人生観をこう明かした。子役からスタートした水谷の芸歴は57年を誇る。その間に培われた彼の交友関係は実に幅広い。

 笑い上戸で、ユーモアあふれる性格のせいか、出会った人たちに愛され、長い交友が続いている――。

 まずは「相棒」の出演者から二人。衆議院議員・片山雛子役の木村佳乃(46)は、水谷と初めて会ったとき、高校生だった。

「佳乃ちゃんは、僕が成城に住んでいた頃、家に遊びに来たことがあるんですよ。芸能の世界に興味があって、そういう仕事をしていきたいと話していた。そのあと大学生の頃かな、本当に芸能界デビューして、あれよあれよという間に名前が知られるようになった」

 木村が「相棒」に出演したのは28歳のとき。役柄は〈事件が起きるたびに、それを逆手に取り、糧にするかのように大きくなっていく〉という強(したた)かな女性だ。

「感心します。あんな癖の強いキャラクターをよく演(や)っているな、って。右京が話し掛けても平気で撥ね付けるし、本当に面白い」

毎朝のように木梨からショートメールが

 もう一人は、捜査1課の強面刑事で、右京に対して「警部どの、どうしてここに。速やかにお帰りください」などと嫌味をいう伊丹憲一役の川原和久(60)だ。

「ああ見えて、あいつは繊細な男なんですよ(笑)。彼が松本白鸚さんの長女で、松たか子さんのお姉さんの紀保さんと結婚したとき、僕は立会人を頼まれたんです。(妻の伊藤)蘭さんと一緒に。披露宴では立会人プラス司会もやりました」

 水谷が「そのことを忘れないでね」と繰り返すため、川原は水谷に頭が上がらないという。

 名前は同じ「相棒」でもテレビ朝日系「豊さんと憲武ちゃん! 旅する相棒」は水谷と木梨憲武(60)が全国を巡る旅番組だ。

「憲武とは、僕が30代の頃に知り合って、それからの付き合いですね。彼は普段は9時くらいに寝て、朝は5時頃に起きるんですよ。それで毎朝のようにショートメールが届くんです。どうでもいい内容の」

 2、3日間が空いたときには「しばらく」というメールが届くという。どちらがより多く相手を笑わせるかを競い、楽しむ間柄だ。

「旅の移動に使う車には数台のカメラが設置されているんですけど、憲武と二人でいると、カメラの存在を忘れてしまうんですよ」

 気持ちが通じ合っているからだろう。この番組では素顔に近い水谷が見られる。

 温泉宿で木梨と卓球をしたときなどは、球が入った入らないでもめ、少年のようにはしゃいでいる。

「40代の初め頃、それまで僕には縁がない世界だと思っていた競馬場に通うようになったのも、憲武と(石橋)貴明の影響です。ハマったというか、気が付いたら好きになっていた」

 水谷は、一時期、馬券にかなりの金を注ぎ込んだ。

「でも、あるときから冷静になって、今は憲武と『やってないだろうね』とチェックし合っています」

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