イチロー、武豊、蜷川幸雄… 水谷豊が明かす“華やかすぎる”交友録と“秘話”

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イチローとの共通点

 そんな二人が京都を旅したときに立ち寄ったのが、日本を代表する競馬騎手・武豊(53)の自宅である。水谷と武との付き合いも長い。

「奥さんの佐野量子ちゃんのデビューが僕の番組(日本テレビ系『気分は名探偵』・1984~85年)だったので、そのご縁があったんです。武さんもすごくユーモアがあって話が面白い。会っている間は、二人で笑っていることが多いですね」

 水谷は武のことを「西の豊さん」と呼び、武がレースに勝ったときは「おめでとう! 東の豊より」という祝福のメールを送る。

 一方の武は、若い頃、「名前のユタカはどういう字ですか?」と尋ねられたときは、いつも「水谷豊の豊です」と答えていたという。

 武豊からしばし遅れて知り合ったのが、イチロー(48)である。

「イチローさんとは、7年ほど前、憲武の紹介で会いました。食事に誘われてレストランに行ったら、そこにイチローさんと武豊さんがいたんです。イチローさんも僕が来ることを知らなくて、初対面でした。憲武のサプライズですね」

 以後は一緒に食事をしたり、メールでやりとりするような関係が続いている。

「イチローさんは、僕と同じくものすごい方向音痴なんですよ。彼は自分よりひどい方向音痴はいない、と言っていますけど、いやいや僕も負けてはいませんよ」

 イチローは、シアトルのスタジアムから車で20分ほどの自宅に帰るのに1時間半かけ、ニューヨークでは、15分の距離を2時間近く迷ったことがある。球場内ですら、グラウンドに出る方向を間違えたという。

「どうにもならないんですって。よく分かります。僕だってそうですから」

 見事な身体バランス感覚を誇るあのイチローが方向音痴というのは、にわかに信じがたい。

「どこの国にいてもそうだったというから、イチローさんの場合は世界的な方向音痴ですね。僕は今のところ日本だけだから(笑)」

極度の方向音痴

 水谷の方向音痴は周囲の誰もが認める。エピソードは数知れず、彼には失礼だが、どれもコミカルだ。

「僕ね、何十回も行っているホテルオークラに、着かなかったことがあるんですよ。蘭さんと知り合いとの食事会があるので、車を運転してホテルへ向かったんだけど、全然、違う場所に到着したんです。入り口で守衛さんに尋ねたら、どこかの会社だった。どうも建物のシルエットが低いな、とは感じていたんだけど」

 家族旅行で熱海の旅館へ車で向かったときもそうだった。途中、左側に見えるはずの海が右側に見えた。

「やっと旅館に着いたときには、女将(おかみ)さんから『お越しいただけないのかと思いました』と皮肉を言われて」

 妻の蘭さんは、そんな夫の方向音痴について、どう思っているのだろう。

「もうね、呆れるのにも慣れたみたい。呆れるのに慣れて、あまり呆れていない、みたいな感じですよ」

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