Twitterで「#さよなら朝日新聞」が拡散中 “統一教会”報道に「OBと愛読者」は不信感

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薬莢と脅迫状

 1987年5月6日、朝日新聞は「本社に薬きょう・脅迫状が届く 朝日新聞記者殺傷事件」との記事を東京版の夕刊に掲載した。

「この年の5月3日、朝日新聞阪神支局襲撃事件が発生しました。記者2人が散弾銃で撃たれるというテロ事件で、1人が死亡、1人が重症。翌6日には時事通信と共同通信に『赤報隊一同』の名で犯行声明が届きました」(同・記者)

 一方、朝日新聞に送られたのは、使用済の散弾銃の薬莢(やっきょう)2個と、ルーズリーフ1枚に書かれた脅迫状だった。文面は《とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ》と書かれていた。

抗議電話

「統一教会は朝日新聞の取材に、『ひどい濡れ衣だ』と回答しています。警視庁捜査1課が調べますが、都内の銀行などにも統一教会の名前を使った脅迫状が送られていたことが判明しました。朝日新聞は独自取材の結果、7日の朝刊に『阪神支局襲撃事件とは無関係』と結論づけた記事を掲載しました」(同・記者)

 赤報隊事件は未解決で、いまだに謎が多い。だが、当時の朝日新聞が、統一教会を批判する記事を精力的に掲載していたのは紛れもない事実だ。

「朝日新聞は2002年、阪神支局襲撃事件を取り上げた連載企画を掲載しました。4月12日の記事では、統一教会に批判的だった同社発行の週刊誌『朝日ジャーナル』(1959〜1992)に対する抗議電話が、1985年4月には週4万6000件に達したと明かしています。翌86年、担当記者の自宅周辺には、不審な男が数人うろつくようになったそうです。記者の自宅にも抗議電話や無言電話がかかり、その数も1日100件を超えたとあります」(同・記者)

 過去に“実績”があったからこそ、「今回も朝日新聞は統一教会の問題を詳報してくれるだろう」と愛読者やOB記者は期待していたようだ。

消極的な報道姿勢

「ところが蓋を開けてみると、全く逆でした。そのためOB記者がTwitterで批判したのです。例えば、エネルギー問題に関する編集委員を務めたOB氏は、《朝日新聞は私たちと違う世界に存在している》と手厳しいツイートを投稿しています。その理由として、8月18日の朝刊で統一教会を扱った記事が2本しか掲載されなかったことを挙げました」(同・記者)

 2本の記事の見出しは以下の通り。

◆生稲氏、施設訪問「事実だ」 選挙前、萩生田氏と 旧統一教会関連
◆(声)旧統一教会との関係、説明を望む

「1本目は、参院選の公示前、生稲晃子・参院議員(54)と萩生田光一・政調会長(58)が統一教会の関連施設を訪問したという記事でした。ところが、この件はもともと、週刊新潮のスクープ記事が初報だったのです」(同・記者)

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