統一教会の広報担当者を元公安警察官が「パーティー・クラッシャー」と呼ぶワケ

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大使とハグした動画をSNSにアップ

 招待されてもいないのに、パーティー会場に押しかけて飲み食いし、迷惑行為に及ぶ人物を“パーティー・クラッシャー”と呼ぶという。

「統一教会の広報担当者は有名ホテルのロビーをうろつき、ホテルのその日の催しを見て、大使館主催のパーティーに勝手に来ていました。大使と握手やハグしている写真や動画を連れの女性に撮らせ、SNSにアップするのです。パーティー・クラッシャーの行動と全く同じですね」

 パーティー・クラッシャー対策として、受付で招待状と引き換えに花を渡し、それを胸につけていない人は再入場を認めない国もある。

「ところが統一教会は、胸に花をつけた人が会場から出てくると、『お帰りですか』と声をかけ、帰る人であることがわかると、『お花、お預かりします』といって花を受け取り、自分の胸につけて入場することもありました」

 統一教会の広報担当者は、パーティー会場で大使と思われる人物に英語で話しかけ、名刺交換するという。

「アメリカ大使館のパーティーでは、ギリシャ大使やアルジェリア大使と名刺交換していました。そういう時、私は、そばに寄って会話を聞いていました。『おたくの国のパーティーはいつですか? 興味があるので、是非参加させてください』と言っていました」

名刺交換すると、後日大使の秘書に電話をかけるという。

「ギリシャ大使の秘書から、『統一教会ってどんな団体だ』と聞かれたことがあります。ギリシャ大使は創価学会のことはよく知っていますが、統一教会のことはほとんど知りませんでした」

 統一教会は、オウム真理教が1995年の地下鉄サリン事件を起こすまで公安第3課が監視していた。

「第3課は右翼担当です。統一教会は反共組織である国際勝共連合をつくり、右翼とも結びついていたので3課が監視していたのです。ところが地下鉄サリン事件が起こって、統一教会もカルトと認識されるようになって、公安総務課のカルト係が監視するようになりました」

 勝丸氏は、統一教会の広報担当者が各国の大使と名刺交換するのを目撃するたびに、公安総務課へ報告を上げたという。

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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