警察は安倍元首相へのテロを助長したのではないか? とまで言われるキッカケとなった一件とは?

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トーンダウンのキッカケ

 しかし、「当初」は大きかったはずの擁護論はその後、トーンダウンして行ったという。

「キッカケは、安倍氏の妻・昭恵氏を乗せたクルマが警視庁の警護車両に追突される事故でした。前方不注意だったということですが、タイミングは最悪で、警察を庇う声は身内からもなくなって行きました。外部からは、“警察は安倍氏へのテロを助長したのではないか”という陰口まで叩かれる状況でした」(同)

 さらに追い討ちをかけたのが、森喜朗元首相のインタビュー(8月2日の読売新聞)だった。該当するのは以下に挙げた部分だ。

「事件の起きた奈良の県警本部長の記者会見を見ていたが、話にならない。第一、これだけの事件だったのに、まだ誰も責任を取っていない。奈良県警本部長も警視総監も警察庁長官も、その上に立つ二之湯国家公安委員長も。本当は担当大臣は辞めなければいけない。これから事件を検証して、その後で責任を取ると言っても遅いのではないですか。警察側も警備に問題があったことは、もう認めている。それなのに、これから検証をして、それから警察庁長官が辞めるのですか。こんなバカげた話はないと思う」

 安倍政権では、警察出身官僚がいわゆる「官邸官僚」として鉄壁の危機管理を発揮し、数々の難局を打破してきたとされる。少なくとも永田町や霞が関周辺では、警察出身官僚の存在感は増していた。それだけに、今回の件が警察当局に与えたダメージは計り知れないと言えるだろう。

デイリー新潮編集部

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