岸田首相は内閣改造・党役員人事で「鎌倉殿」人事を参考に?「萩生田政調会長」「高市経済安保相」起用の本当の狙い

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“あの女性”の不在

 岸田文雄首相による内閣改造をめぐって、NHKが痛恨のミスを犯した。国家公安委員長に就任した谷公一氏を復興大臣に起用と誤報。経済安全保障大臣は小林鷹之氏の続投で調整と報じたが、蓋を開けてみれば政調会長だった高市早苗氏が就任した。【武田一顕/ジャーナリスト、映画監督】

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 NHKでは、選挙の当確と組閣・党役員人事で誤報を打ったら、その記者は一生、東京に戻れないと言われていた。さすがに今はそこまで厳しくないようだが、それでもこの手のニュースにNHKはとても敏感だ。

 NHKと新聞を含む他のマスメディアとでは「厳格さがまったく違う」というのは永田町の常識だが、今回は2回も誤報。この背景には、あの女性の存在があると考えざるを得ない。安倍晋三元首相と太いパイプを持ち、第二次安倍政権発足以来、特ダネを報じ続けてきた岩田明子記者(その後、解説委員)だ。

 岩田氏は7月末にNHKを退職した。安倍元首相が在命ならば、そして岩田氏が在職していたならば、こんなミスは決して起きなかっただろう。NHKの報道力の源泉は、豊富な予算と記者の人数のはずだが、頭数だけ揃っていてもダメだということが露呈した。

 政治は情報産業の側面があり、最大派閥のトップには正確な情報が集約される。安倍氏亡き後、情報が集約される実力派政治家がいなくなったということか。岩田氏は局内に残留しているらしいが、第一線での取材は控えているとみられる。

 政治取材では、最高権力者たる首相自身からすべての情報が聞ければ良いが、普通この手の人事は、多忙をきわめる首相に代わって、別の幹部がマスコミにリークして情報をコントロールする。その過程に齟齬があり、今回の失態につながったのだろう。

 その岸田「検討使」首相による内閣改造は、新味のないものとなった。19人の閣僚のうち5人が留任。彼らはまさに、岸田内閣の「骨格」だと分かる。また、防衛大臣の浜田靖一氏はじめ再入閣した5人は、「骨格」に支えられて働く「筋肉」といった位置付けだろうか。

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