中国激怒で訪台「ペロシ」を“老妖婆”呼ばわりも、3期目続投を目指す「習近平」がほくそ笑む理由

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「3期目突入はほぼ確実」の声

「現在、中国のネット上ではペロシ氏を<老妖婆>と呼んで罵詈雑言が浴びせられています。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、ペロシ氏の若い頃の写真を転載して“どうせ来るならこの時に来てほしかった”とからかうような表現も散見される。意外に思うかもしれませんが、中国人は敬老精神が非常に強いため、ネット上とはいえ、露骨な年齢差別を行うのは珍しく、それだけ今回の訪台が庶民の怒りを買ったということです」(田代氏)

 その結果、それまでネット上に溢れていたゼロコロナ政策への不満や景気後退への不安といった声が“一掃”され、政権にとっては好都合な状況が生み出されているという。

「庶民の関心が問題の山積する国内から対米関係へと移っただけでなく、“強い指導者”としての習氏の存在感も高まっています。今秋には習氏が3期目を目指す共産党大会が控えていますが、“台湾危機”の勃発で対抗馬に国際協調派が浮上する芽はなくなった。ペロシ氏の訪台がライバルを消し、習氏の3期目続投は“ほぼ確実になった”と中国国内では囁かれています」(田代氏)

 台湾との「連帯」を示したペロシ氏の行動が、習近平の長期政権樹立を“アシスト”することになるなど、笑うに笑えない冗談だ。台湾問題を習近平の政治的な道具とさせない策と智恵が日本にも求められている。

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