「何が問題かわからない」で炎上の福田達夫議員 焦って出した釈明文書の評判が悪い理由

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番記者との癒着

 ちなみに8月2日、自民党の茂木敏充幹事長(66)は「自民党と統一教会とは全く関係がないことが分かった」とし、調査を行うつもりはないことを明らかにした。これにも世論が反発する可能性があるが、本題に戻ろう。

 実は、福田氏の釈明文書、内容が意味不明なだけでなく、ご本人が独力で書き上げたものではないというのだ。

 自民党の関係者は、「あの釈明文書は、番記者の“推敲”を経て発表されたものです」と声を潜めて言う。

「会見の発言が炎上し、福田さんは『どうしたらいいんだろう』と、かなり慌てていたそうです。福田さんがマスコミ幹部に相談すると、『釈明したほうがいい』と忠告された。そのため自分で下書きを作成し、その後、安倍派を担当しているNHKやフジテレビなど5人程度の番記者が秘かに呼ばれ、福田さんは下書きを見せました。そして記者たちのアドバイスを受けてから発表したそうです」

 こうした発表までの経緯は、複数の問題点を孕んでいるという。

「かつては番記者が、こっそり“スピーチライター”の真似事をしていたこともありました。しかし今では、そうした関係は“政治家と番記者の癒着”と考えられています。おまけに昭和の時代でも、本当に信頼している関係の深い番記者1人に協力を要請することはありましたが、複数の記者に文案を見せるなどということはなかったと思います」(同・関係者)

危機管理の能力は……?

 何より問題なのは、これだけ有権者が明確に怒っていても、福田氏は独力で釈明文を書けなかったという点だ。

「発言のどこが問題だったのか、有権者は何に怒っているのか、それが自分でも分かっていれば、わざわざ下書きを記者に見せる必要はなかったはずです。福田さんが番記者の協力を仰いだことで、いみじくも会見における『何が問題か分からない』という発言は本音だったと裏付けられてしまいました」(同・関係者)

 おまけに、複数の記者が“推敲”してくれたにもかかわらず、ネット上では「意味不明」と一刀両断されてしまった……。

 ここに興味深い新聞記事がある。福田氏の選挙区は群馬4区だが、地元紙の上毛新聞がインタビューを行い、2017年8月に掲載された。

 福田氏が防衛政務官に就任したため、抱負を聞いたという内容だ。記事には以下のような記述がある。

《危機管理を担う防衛政務官は都内での待機が職務の一つ。地元活動はこれまでより制約されるが、「地元有権者の生の声を聞く機会をつくり、(世論と)ずれのないようにしたい」》

 今回の炎上で、福田氏には危機管理の能力がなく、世論と完全にずれてしまっていることが明らかになった。防衛政務官として何を学んだのか、この点でも疑問符を付けざるを得ない。

デイリー新潮編集部

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