「4630万円男」がYouTubeデビュー 阿武町関係者は「苦情は今も続いている。我々もこのままじゃ終われない」

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町に今も鳴るクレーム電話

 田口被告自身もヒカルのインタビューで「阿武町に対して恨みとか憎しみとかってないの」と聞かれ、「ちょっとノーコメントでお願いします」と答えている。どうやら町の対応に不満を抱えているようだ。

 だが、阿武町の関係者は「彼にどれだけ苦しめられてきたか」と反論する。

「お母さんに連絡を取らざるを得なかったのも、彼がずっと逃げ続けたからです。電話も出ないし家に行っても不在。ようやく捕まえたと思ったら、車に乗ってまかれるようなことまで起きた。その時、実家に帰ったかもしれないとお母さんに連絡を取らせてもらったのです。もちろん、お母さんが悪くないのはわかっている。だから、こちらの非を詫びたうえで、協力して欲しいとお願いした。銀行にも泣かされました。地方自治体が正式に事情を説明して銀行口座の凍結をお願いしても、杓子定規で出来ないと繰り返すばかり。その間にどんどん口座から金が消えていってしまったのです」

 町の受難はいまなお続いているという。

「今日も15件くらいの苦情が入っている。YouTubeの影響でしょう。ほとんどが町が原因だと非難する声です。町民からの苦情ならば仕方ありませんが、関係のない他地域から電話してくる。一番ひどい時は200件くらい。業務は止まるし、職員たちも精神的に参ってしまった。罵詈雑言が30分くらい続く電話もある」

逆手に取って町おこしを

 では、いっそ田口被告のように全国区の知名度を得られたことを逆手に取って、実を取りに行ってはどうかと聞くと、「もちろん、そういう声は出ていますよ。このままじゃ終われないと思っている職員は多い」と答える。

「『電通に4630万円払ったってこんなに全国に名を売れない』なんて皮肉を言う人もいますが、実際そうでしょう。逆転の発想で、町おこしにつなげようという声は確かにある。ただし、仕掛けるとしてもすべてが終わって落ち着いてからです」(同)

 全額返済されたとはいっても、田口容疑者とはまだ係争中なのだ。

「4630万円分については認諾(被告が原告の主張を認めること)を得られていますが、弁護士費用、調査経費、利息等などの約510万円分については何の連絡もありません。これについては粛々と求めていく必要がある」(同)

 刑事裁判も控えている田口被告。本当に改心したのか。今後の振る舞いに注目したい。

デイリー新潮編集部

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