自民党「保守派」には本気で統一教会に共感している者がいる 創価学会との明らかな違い

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日韓の保守派人脈

 文鮮明の特別入国を求めて自民党議員が圧力をかけたことについて、全国弁連は《「法務省に対する働きかけは重大な干渉」》と批判。金丸氏の証人喚問など、国政調査権の発動を求めた。担当記者が言う。

「記事によると、法務省に文氏の入国を打診した自民党議員は5人。ところが、朝日の取材に全員が否定したそうです。一方、金丸氏は《「入国できないというので、私が便宜を図ってもらえるように法務省にかけあった」》と認めたと書かれています」

 そもそも“反共産主義”を掲げていた文鮮明は、韓国大統領だった朴正熙[パク・チョンヒ](1917~1979)と密接な関係を結んだ。ちなみに朴の長女が、2013年から17年まで韓国大統領を務めた朴槿恵[パク・クネ](70)だ。

 文は韓国の保守派を代表する人物の1人となり、そのため自民党の保守派とも気脈を結ぶようになった。

「統一教会と密接な関係を持った自民党の大物政治家として、岸信介(1896~1987)、福田赳夫(1905~1995)、安倍晋太郎(1924~1991)、そして安倍さんと、いずれも『清和政策研究会』でトップを務めた政治家が列挙されます」(同・記者)

 清和研は自民党の中でも特に保守的な政策を指向することで知られている。だが金丸は、旧田中派(経世会=現・平成研究会)の重鎮議員だった。

「朝日の報道からは、文氏は田中派の大物議員とも親交を持っていたことが分かります。つまり文氏は、自民党に“広範な人脈”を築いていたことが浮かび上がるのです」(同・記者)

自公は本質的に“水と油”

 現職の自民党議員に関しても、様々なメディアが統一教会との関係を報じている。取材から逃げたり、否定したりする議員も少なくないが、例えば防衛相の岸信夫(63)は「選挙の際もお手伝いいただいた」などと関係を認めた。

 ベテランの政治担当記者は、「統一教会と自民党との深い交流を理解するには、創価学会=公明党と比較すれば分かりやすいでしょう」と言う。

「自民党で創価学会の教えに理解を示しているとか、池田大作名誉会長(94)に心酔しているとか、そんな国会議員はまずいません。自民党は保守政党ですが、そもそも創価学会は保守主義とは距離を置いています。安倍さんの安保法制の推進に創価学会が批判的だったことが、その象徴です。自公連立政権は“与党の座を守る”という利害が一致して選挙協力を行っているだけで、本質的に自民と公明は異なる点が多い政党なのです」

 一方、自民党と統一教会は、政治的主張の観点から見ると非常に近いという。

 例えば“反共”を掲げる文鮮明は1968年、「国際勝共連合」を韓国で創設した。読んで字のごとく「共産主義に勝利する」ことを目的とした団体だ。

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