統一教会がカネ集めに使った「日韓トンネル」 騙されて3億7000万円出した人も

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

教団総裁も視察

 国際ハイウェイ財団の公式ホームページには、財団の設立目的としてこうある。

《国際ハイウェイ構想の実現を目指し、日本とアジア、世界各国との連携を深め、文化的、宗教的、経済的交流並びに科学技術的交流を促進し、日本とアジア、世界の自由と平和と繁栄に寄与する。》

 財団の会長は、統一教会の関連団体である国際勝共連合の会長も務める梶栗正義氏である。そして「国際ハイウェイ 現場だより」なる冊子で、トンネルの進行具合が報告されている。最新号は昨年7月5日発行のもので、壱岐に現場事務所が設置され、《本格工事の始まりを告げている》とある。すでに壱岐にまで達したのか?

「全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士が見に行ったところ、とんでもない山奥にプレハブ小屋が建てられ、ほんの少し穴が掘ってあっただけでした」(渡辺弁護士)

 16年11月22日発行の「現場だより」には、文鮮明氏の妻で、現在の統一教会総裁である韓鶴子氏が唐津を視察に訪れたともある。

「文鮮明氏は12年に亡くなり、韓鶴子氏が継いだわけですが、自身の代でも大きなイベントをやりたいようです。その一環が日韓トンネルと言われています」(渡辺弁護士)

 教団が構想を打ち出して40年以上が過ぎた。果たして、日韓トンネルは完成するのだろうか。

「完成するわけないじゃないですか。お金もなければ技術もない。ましてや安倍元首相は殺害されてしまったことで、教団や関連団体の印象は悪化しています。そもそも戦前に日本が計画したときは鉄道でしたが、教団の構想は高速道路です。200キロ以上もある海底トンネルなど、完全自動運転ならともかく、自分で運転できると思いますか?」(渡辺弁護士)

 現在、日本の高速トンネルの最長である首都高の「山手トンネル」は約18キロ、関越自動車道の「関越トンネル」だって約11キロである。これでも長いと感じる人は少なくない。

「さらに、日本は左側通行、韓国は右側通行です。これはイギリス(左側通行)とフランス(右側通行)を結ぶユーロトンネルも同様ですが、あのトンネルだって鉄道のみ。日韓トンネルはどちらの交通ルールを優先するのでしょう」(渡辺弁護士)

 現在の両国の関係を見れば、それだけでも大モメだろう。

「統一教会のみならず、日韓トンネル構想は主に韓国側から数年おきに再燃します。韓国に新大統領が誕生し、また計画が持ち上がるかもしれません」(渡辺弁護士)

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。