側近2人を解任したゼレンスキー大統領 ロシアの魔の手が忍び寄る!

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自宅に軟禁状態

 解任されたバカノフ長官やベネディクトワ検事総長は、職員が寝返ったことを承知していたのか。

「バカノフ長官は、捜査情報の破棄や職員名簿がロシア側に漏れていることを知っていました。ところが、それを制止しなかったのです。本来なら、情報漏洩を止めさせ、職員を逮捕すべきですが、ゼレンスキー大統領にも報告しなかったのです。ベネディクトワ検事総長も同様に情報漏洩を知りながら、大統領に報告しませんでした」

 元々、バカノフ長官とゼレンスキー大統領は友人だったという。

「3月に行われたロシアとウクライナの停戦交渉にバカノフ長官も参加しています。この時点では、ゼレンスキー大統領はバカノフ長官を信頼していました。ところがその後、戦局が次第にウクライナに不利になってきたため、バカノフ長官は職員の寝返りに目をつぶるようになった。さらに問題なことに、ウクライナの政権中枢にはロシアのGRUやSVRのスパイがかなりいるといいます。バカノフ長官やベネディクトワ検事総長がロシアの諜報員に取り込まれている可能性すらありますね」

 バカノフ長官やベネディクトワ検事総長は現在、自宅などで軟禁状態にあるそうだが、ゼレンスキー大統領は、職員の寝返りをどうやって知ったのか。

「ゼレンスキー大統領は、親しくしている記者などの情報源から、ロシアの諜報活動に関する色々な情報を入手しています。ところが、それらをバカノフ長官や検事総長に聞いても、そんな情報は上がっていないと答えたそうです。そんなことが何度か繰り返されるうちに、これはおかしいと気づいたそうです。そして職員の裏切り行為が判明したのです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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