記者が見た第7波直撃の「フジロック」”大声禁止”でも酒が入れば絶叫してしまう中高年たち

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「大声禁止」のはずが……

 入り口付近で声をかけたフジロック歴20年という40代の夫婦は、昨年との違いをこう語った。

「渡航制限があって出演できなかった外国人アーティストが、今年は出てきている。つまり、昔ながらのフジロックに戻ったわけ。それもあって、私たちのような中高年が戻ってきたのだと思いますよ。昨年は日本人アーティストだけで構成しなければならなかったので、『King Gnu』、『RADWIMPS』など若者に人気のラインナップになっていました」

 では早速、トップバッターの演者を観てみよう。午後1時くらいに奥の「ホワイトステージ」に行ってみると、今年10年ぶりに再結成した「DOPING PANDA」が歌っていた。

「じっとしてたって始まらないよね。おかえり。フジロック!」

 ボーカルが客席に呼びかけると観客は声をあげて応える。一応、今年は「大声禁止」のはずだが、いざライブ会場に来てしまったら声を出さずにいられなくなるのは昨年と同じ。

ビール売り場には長蛇の列

 午後3時過ぎにメインステージで始まった「Original Love」ではもっと顕著だった。名曲「接吻」が始まると会場のボルテージは最高潮で、ボーカルの田島貴男が煽り始める。

「カモン、カモン、カモン、カモン、ベイビー!」

 その度、ステージ前は「わー!」。昨年はまだ昼のうちはみんな大人しかった気がするが……。テンションの高いワケはすぐにわかった。今年、解禁となった酒販売で、みな気が緩んでしまっているのである。

 うだるような暑さのなか、ビール売り場の前には長蛇の列ができていた。みな美味しそうにお酒を飲んでいる。見上げれば紺碧の空に青い山。絶景の中でほろ酔いで音楽を聴くのは
さぞ気持ちいいだろう。

 屋台ゾーンも昨年より大盛況で、広場の中央では大道芸人がファイヤーダンスを披露していた。

「やっぱり酒アリだと、まったく売り上げが違いますよ」

 毎年出店しているという売り子はこう言って、顔を綻ばせた。ちなみに今年からは会場内で現金が一切使えなくなった。すべての決済がキャッシュレスとなったためチャージできるよう、入り口付近には可動式のセブン銀行のATMまで設置されていた。

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