中国戦は屈辱の引き分け 橋本拳人をなぜアンカーで起用しなかったのか

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低い本気度

 実際、日本の攻撃が活性化したのは、後半36分に森島に代わり相馬勇紀が投入されてからだった。ここまでの2試合を見る限り、カタール行きを本気で狙っていると感じさせるプレーをしたのは、この相馬と水沼宏太、西村拓真、脇坂泰斗の4人くらいしかいなかった。

 この試合で期待していたのが、スペイン2部のSDウエスカへの移籍が決まったボランチの橋本である。ボランチはもちろん、FC東京時代はインサイドハーフやCB、右SBでもプレーしたマルチな選手である。183センチのフィカルを生かしたダイナミックなプレーは、FCロストフ(ロシア・プレミアリーグ1部)でも実証済みだ。

 なぜ橋本に期待したかというと、6月の国際Aマッチ4連戦では、4試合目にアンカーの遠藤航のパフォーマンスがガクッと落ちた。昨夏の東京五輪でも遠藤と田中碧、久保建英らは中2日の連戦により疲弊したからだ。

 森保監督が掲げるW杯ベスト8を実現するためには、過去2回、跳ね返されている、“ベスト16の壁”となる4試合目を突破しなければならない。そのためには不慮のケガ人も想定して選手層を厚くしておく必要がある。

フォーメーションの問題

 ところが、現状で遠藤の代役となるアンカーの選手は1人も見当たらない。原口元気や柴崎岳もボランチだが、どちらかというとダブルボランチのタイプ。そこで経験豊富な橋本のプレーに期待した。

 結論から言うと、判断は難しい。試合は4-2-3-1でスタートし、途中に野津田のアンカーによる4-1-4-1にシフトして、橋本がインサイドハーフに上がって攻撃に絡む時間帯もあった。しかし、見たかったのは橋本のアンカーだった。

 森保監督はW杯最終予選のオーストラリア戦(21年10月12日)から、それまでの4-2-3-1を捨て、4-3-3でV字回復を果たした。

 6月の4試合でも基本システムは4-3-3で、4試合ともアンカーには遠藤を起用。インサイドハーフは鎌田大地、原口、田中、柴崎、久保らを起用した(守田英正はケガで代表を辞退)。

 ところが、E-1選手権では4-3-3ではなく4-2-3-1を採用している。香港戦では横浜F・マリノスで好調を維持するトップ下の西村を生かすために4-2-3-1を採用したのだろう。

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