イチローもフレッシュオールスターでブレイク  今年注目の“ルーキー7選手”

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“怪物中学生”

 今年のペナントレースも折り返し地点を迎え、オールスターゲームの出場選手も発表される時期となったが、この時期にもうひとつ行われているのが若手選手を対象としたフレッシュオールスターだ。今年は7月23日(予備日24日)に「長崎ビッグNスタジアム」で行われ、既にイースタンリーグ選抜、ウエスタンリーグ選抜された選手が発表されている。その中から特に注目度の高いルーキーを中心にピックアップしてみた。(※出場予定者は7月21日現在。新型コロナウイルスの感染状況で出場選手に変更がある可能性がある)【西尾典文/野球ライター】

 投手で注目したいのが、阪神のドラフト1位、森木大智だ。中学時代にはスピードが出づらいと言われている軟式のボールで150キロをマークし、当時から“怪物中学生”と評判だった選手である。

 高校では、同じ県内に強豪の明徳義塾がいたこともあって、甲子園にこそ出場することはできなかった。だが、それでも着実にレベルアップを果たし、ドラフト1位でのプロ入りを勝ち取った。

 3月31日のソフトバンク戦で二軍デビューを果たすと、いきなり最速154キロをマーク。その後も順調に登板を重ね、奪三振を積み重なるなど、非凡な才能を見せている。スピードに注目が集まる一方で、スライダーやカットボールなど変化球のレベルも高い。フレッシュオールスターの大舞台でも、奪三振ショーに期待だ。

日ハムの「超大型右腕」

 一方、森木と同じ高卒ドラフト1位で選出されたのが、身長194㎝の超大型右腕、日本ハム・達孝太だ。

 天理時代、1年秋の近畿大会決勝で大阪桐蔭を破ったことで、一気にその名が知れた。3年春に出場した選抜高校野球では、先発として3勝をマークし、チームを準決勝進出に導いている。

 他球団のスカウトは、達について以下のように話してくれた。

「最初に見た時はまだまだ体も細くて、力強さもなくて、かなり時間がかかるなという印象でした。ただ3年生の春に一気に良くなってビックリしましたね。選抜では小園健太(DeNA)や畔柳亨丞(日本ハム)、左投手では木村大成(ソフトバンク)や石田隼都(巨人)など、実力があるピッチャーが多かったですが、ボールの勢いでは達がナンバーワンだったと思います。それと、誕生日が3月の終わりの方(3月27日)なんですよね。実質的な年齢で言えば、1学年下の選手と変わらない。それなのに、あれだけのボールを投げられるのは、凄いことだと思います。日本ハムは、その点も重視したみたいですね。プロでも二軍でもう投げていますし、ビッグボス(新庄剛志監督)がどんどん若手を使っているので、意外と早く一軍で投げるかもしれませんね」(他球団の関西地区担当スカウト)

 3年春に大きく成長したとのことだが、その前の冬の期間には、両親にお願いしてボールの回転数などを計測できる高額な機器を購入し、投球の改善に取り組んでいたという。身体的なポテンシャルはもちろんだが、そういった“意識の高さ”は、最近の選手らしいと言えそうだ。

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