岸田総理は改憲する気がない? 党内でも“本気度”を疑う声が

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 与党が圧勝した参院選。改憲勢力の議席数は、国会発議に必要な定数の3分の2を上回る179議席に。いよいよ憲法改正への道筋が拓いた格好だが、岸田総理は投開票翌日の記者会見で、「できる限り早く発議に至る取り組みを進める」と慎重な言い回しに終始した。

「自民党は改選数を8議席も上回る勝利を収めましたが、開票作業の終了後も岸田総理の表情は曇ったまま。安倍元総理の死のほかにも理由があったようです」

 と言うのは政治部デスク。

「憲法改正は安倍氏の悲願であり、結党以来の自民党の党是。衆参両院で再び発議要件が満たされたいま、岸田総理は改憲論議から逃げられなくなったと、陰鬱な気分に沈んだのでしょう」

改憲に向けてプレッシャーを

 そもそも岸田総理は改憲に慎重なリベラル派が集まる宏池会の所属で、昨秋に自身の政権が発足した後も、前向きな姿勢をほとんど見せないままだ。それだけに党内には、総理の本気度を疑う声は少なくない。

「それを気にしてか、岸田総理は安倍氏が亡くなった直後に“改憲は安倍さんだけのものではない。岸田政権でも進める”と周囲に語った。以前、党の憲法論議をけん引する古屋圭司憲法改正実現本部長に“敵も多い安倍さんが改憲しようとすると反発も大きい。リベラルといわれるオレだから実現できる”と大見得を切ったことも。それなりにヤル気はあるようですが……」

 それでも安倍派のベテラン議員はいまも懐疑的だ。

「総理は参院選の街頭演説でも、改憲にほとんど言及していません。安倍氏が死去した翌9日も“安倍元総理は憲法改正について強い思いを持っていた”と触れただけ。安倍氏も生前、“岸田さんから憲法改正に関する話を聞いたことがない”とボヤいていました」

 安倍氏は岸田政権の外交・安全保障政策をはじめ、財政規律派の台頭に不満を強めていたという。

 再び政治部デスクの解説。

「安倍氏は最大派閥の領袖として盟友の麻生太郎副総裁らと、改憲に向けて岸田総理へ陰に陽にプレッシャーをかけていた。時に麻生氏が“岸田がやるならいいじゃねぇか”と、安倍氏を宥めることもあったとか」

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