小園健太は「二軍でも登板なし」、風間球打は「スキャンダル」 ドラ1ルーキー12人の気になる“現在地”

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期待以上の活躍を見せた2人

 まもなく前半戦も終わる今年のプロ野球。開幕前に話題となることが多いのがやはりドラフト1位で入団した選手たち。いざシーズンが始まってみると期待通りの選手ばかりではないということはよくあることである。今回はそんなドラ1選手12人の現在地と、後半戦に向けての展望を探ってみたい(成績は7月10日試合終了時点)。【西尾典文/野球ライター】

 まず、想像以上の活躍を見せた選手といえば、大勢(巨人)と松川虎生(ロッテ)になるだろう。大勢は開幕からクローザーを任せられると、ここまで両リーグ通じてトップとなる24セーブをマークしている。大学時代から150キロを超えるスピードはあったものの、故障で投げられないシーズンが多かっただけに、これだけの活躍を見せると予想していた人も少なかっただろう。

「高校時代はオーソドックスなフォームでしたが、大学では故障もあってかよくフォームを変えていた印象です。サイド気味の今のフォームが本人にとってはしっくり来たんじゃないですかね。巨人はチームにいないタイプの変則投手と言うことで評価も高くなったようです。ただ、ストレートの力はありましたが、変化球やコントロールがそこまで良くなかったので、いきなりこんなに活躍するとは全く思いませんでした。最初からリリーフで起用したのも、はまったと思いますね。夏場に疲れが出て、ストレートが走らなくなると苦しくなるかもしれませんが、1年目からこれだけ投げられるのは立派ですね」(他球団の関西地区担当スカウト)

 このスカウトのコメント通り、6月には2試合連続で失点するなど少し不安定な投球もあったが、その後は持ち直しており、首脳陣の信頼を完全に勝ち取っている。このままいけば、ルーキーで最多セーブのタイトル獲得の可能性も十分にあるだろう。

佐々木朗希の女房役としてブレイク

 そして、大勢以上に“驚きの活躍”を見せているのが松川だ。プロ野球史上3人目となる高卒新人で開幕マスクに抜擢されると、4月10日には佐々木朗希の完全試合達成にも大きく貢献した。

 打率は.149と一軍レベルの投手に苦しんでいるが、安定したキャッチングとブロッキング、大胆なリードは高校生離れしており、既にベテランのような風格を醸し出している。ファン投票でオールスターにも選出された。高卒新人捕手としては史上初の快挙である。後半戦もエースに成長した佐々木の女房役として、重要な役割を担うことは間違いない。

 現在は二軍調整となっているものの、隅田知一郎(西武)と黒原拓未(広島)といった大学卒サウスポーは一軍出場を果たしている。

 隅田は11試合に登板して1勝7敗と大きく負け越してはいるとはいえ、防御率は3.19をマーク。6回以上を投げて自責点2以内に抑えながらも勝ち星がつかなかったケースが4試合あり、打線との巡り合わせの悪さが勝敗に繋がっている。二軍調整となる前の試合も内容は決して悪くなかっただけに、後半戦は勝ち星を増やすことも十分期待できそうだ。

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