「藤田菜七子」超え 重賞初騎乗・初制覇の快挙「今村聖奈ジョッキー」の強さの秘密を「調教捜査官」が明かす

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藤田菜七子の存在

 その“好き”こそが、彼女の強さにもつながっているという。

「彼女はレースに乗る ときも、必ず事前に自身が乗る馬はもちろん、一緒に出走する他の馬の特徴、クセを、それぞれの過去のレース動画や、過去に騎乗していたジョッキーに訊くなどしてチェックして、今回のレースがどんな展開になるのかを考えるそうです。さらに、当日の馬場の状態を自ら歩いて確認する。そこまで準備した上でレースに臨むんです。それでも、勝てないときは勝てないわけですが、そのときも、なぜ勝てなかったのかもきちんと検証し、次につなげていく。だからこそ、大舞台でも慌てず、冷静にレースを運ぶことができるというわけです」

 また、この活躍の陰には、藤田菜七子騎手の存在も大きいという。

「藤田騎手がデビューした時は、16年ぶりのJRA女性騎手登場ということで、マスコミが大きく取り上げた結果、大フィーバーとなりました。とにかく女性ジョッキーというだけで彼女の一挙手一投足が取り上げられ、イベントにも引っ張りだこ。まるでアイドルのような扱いでした。本人もいろんな意味で大変だったと思います。でも、藤田騎手がそうやって道を切り拓いた、今村騎手はじめ、若手の女性ジョッキーたちは、『女性だから』という騒がれ方はそこまでされず、競馬に集中できているということはあると思います」

競馬は知らないけど

 さて気になるのは、彼女の将来だが、

「彼女のすごいところは、とにかくめちゃくちゃ謙虚なんです。常に馬主さん、調教師さん、先輩騎手、ファン、そういう周りの支えがあって今の自分がいるという意識で動いています。だからこそ、周りも彼女を応援したくなる。実は、あの武豊さんもそうなんですよ。レジェンドなのに、威張らず、誰とでも気さくに話される。このままの姿勢で、競馬が好きという気持ちを持ち続けていけば、いずれは、競馬ファン以外の方々にも“競馬は知らないけど、今村聖奈は知っている”というくらいのジョッキーになっていくんじゃないかなと思いますね」

デイリー新潮編集部

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