「参政党」が台風の目 躍進する3つの理由 怒涛の勢いで2議席獲得なるか?

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実は苦労人

 7月10日の投開票に向けて最終盤に差し掛かった参院選。安倍晋三元首相銃撃という衝撃的な事件の影響も読めない状況となっているが、ここまでの選挙戦において台風の目となっている新党がある。「参政党」だ。人々が詰めかける街頭演説では「さんせいとう!」というコールが沸き起こり、Twitterでは「#参政党だけが唯一の希望」というハッシュタグがトレンド入りした。

 ある政治評論家によると、

「参政党は日を追うごとに爆発的な人気を集めており、このままいけば全国比例で1議席だけでなく、2議席目も獲得するのではないかという観測も出ています」

 参政党とは、いったい何者なのか。

 参政党は2020年、現在事務局長を務める神谷宗幣氏(44) らによって結成された。神谷氏と言えば、29歳で吹田市議会議員に初当選後、地方議員を中心とする政治団体「龍馬プロジェクト全国会」を設立して名を馳せた人物である。

 2012年の衆院選(大阪13区)に自民党から立候補するも、当時破竹の勢いだった「日本維新の会」西野弘一氏相手に完敗。比例復活もならず落選した。

 その後、「CGS」というインターネットチャンネルを立ち上げて、独自の歴史観や政治に関する発信を始めたが、再び挑戦した2015年の大阪府議会議員選挙(無所属)ではあえなく落選。

 つまり、神谷氏は意外にも、苦労人だと言えるだろう。

中核メンバーの人脈は

 その神谷氏は2018年に「イシキカイカク大学」を立ち上げる。一種のセミナー企画だが、講師に反維新の急先鋒として知られる藤井聡京大教授や元米海兵隊文官の政治学者ロバート・D・エルドリッヂ氏、国際ジャーナリスト丸谷元人氏や危機管理コンサルタント平塚俊樹氏といった錚々たるメンバーを揃え、人気を博した。

 実は、参院選全国比例に参政党から出馬している武田邦彦・元中部大学教授や歯科医師の吉野敏明氏といった中核メンバーは、このイシキカイカク大学の講師人脈から生まれているのだ。

 神谷氏は参政党結成にあたり、イシキカイカク大学人脈に声をかけるだけでなく、永田町で議員経験がある松田学・元衆議院議員とタッグを組んだ。

 松田氏は、財務省を退官した2010年に 平沼赳夫氏が率いた「たちあがれ日本」から参院選に出馬するも落選、2012年の衆院選で日本維新の会から初当選し、その後「次世代の党」で政調会長代理等を務めた保守政治家だ。

 他に、「日本のこころ」から衆院選出馬経験のある赤尾由美氏(日本愛国党赤尾敏氏の姪)も参政党の中核メンバーになっている。

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