W杯“選手枠増”はなぜ日本に不利なのか 専門家は「番狂わせが起こりづらくなる」

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 11月に迫ったサッカーW杯カタール大会で、選手の登録枠が従来の「23人」から「26人」に増えることが決まった。新型コロナウイルスの影響を考慮した措置だという。

 これを受けて、日本代表の森保一監督は、

「ポジティブに受け取っている。選手の選択肢をより多く持って試合に臨めるということは、監督としてありがたい。日本にとってはプラスになる」

 と語ったのだが、

「どう考えても、日本にとってはマイナスでしかないですよ」

 とスポーツ紙サッカー記者が憤慨する。

 日本は、4カ国総当たりのグループリーグで、スペイン、ドイツ、コスタリカと対戦する。世界ランキングは日本24位に対して、スペイン6位、ドイツ11位、コスタリカは34位。つまり劣勢である。

「“選択肢が増える”と言いますが、それは相手国も一緒です。たとえば、現在当落線上にあるとされる久保建英(21)が代表入りを果たすかもしれませんが、スペインやドイツでは、久保なんかよりずっと格上の選手が入ってくる。戦力の差は開く一方です」

さらに不利な要素が…

 決勝トーナメントに駒を進めるのは2カ国だから、日本は番狂わせを起こすしかない。だが、

「戦う環境が厳しければ厳しいほど番狂わせが起きやすいんですが……。たとえばピッチが荒れているとか、灼熱の環境だとかで選手の故障が続出すれば、強者も窮地に陥る。でも、登録枠が増えれば、それもカバーできるわけで、番狂わせは起きにくくなります」

 しかも今後、試合中の交代枠も「3」から「5」に増える見込みだという。

「たとえばJリーグと大学チームが対戦する場合、ベンチ入りの人数や交代回数を増やせば、地力に勝るJリーグがより有利になりますよね。それと同じ。森保監督はそんな簡単なこともわからないのでしょうか」

週刊新潮 2022年7月7日号掲載

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