10億円コロナ給付金詐欺、黒幕は“六本木人脈”の中心人物 逮捕の谷口も「カモにされていた」
「財布は現金でパンパン」
“六本木人脈”――。6月22日、谷口容疑者と同時に、警視庁が逮捕した太田浩一朗容疑者(35)こそが、その中心人物である。
「当局は谷口容疑者を“主犯格”、太田容疑者を“グループ拡大のキーパーソン”と見ています。太田容疑者は六本木のダイニングバーで店長をしており、そこで培った人脈を駆使して、申請者を募ったのです。中核メンバーと目される人間は十数名おり、ほぼその全てを太田容疑者が集めていました」(前出記者)
太田容疑者の知人が言う。
「今回の事件は、いわば太田がプロデューサーで、谷口は役者に過ぎません。事件を振り付けた黒幕は太田ですよ。あいつは根っからの詐欺師なんです。表向きはバーの店長をしていましたが、“副業”で荒稼ぎしていたんですから」
生活は派手で、
「ベンツを乗り回し、キャバクラに行けば、シャンパンのボトルを何本も抜いて、1回で30万円くらいは平気で使っていた。カードを持ち歩かず、支払いはキャッシュ。財布は現金でパンパンに膨れていました」
カモに近づき…
太田容疑者の店のシステムは2時間6千円で飲み放題だったが、
「目ぼしい客が来たら、プレミアム・ウイスキーなど飲み放題コースでは飲めない高いお酒の名前を出し、“僕のおごりで飲んじゃってください”と言って近づき、仲良くなるんです。太田が谷口に近づいたのも、同じ方法です」
カモになりそうな客に狙いを定めると、行きつけのキャバクラで接待するのがセオリーで、
「太田はそのキャバクラで、“ホステスが抽選で年代物のウイスキーを購入できる権利を手に入れた”という話を切り出すのです」
そして太田容疑者は谷口容疑者にもこんな“もうけ話”を持ち掛けていたという。
「太田は谷口に、滅多に手に入らないヴィンテージのウイスキーをホステスから買い取り、自分の知っている店に転売すれば、確実にもうけられると口説いたんです。そして“そのもうけを山分けしましょう。ただ、そのためには最初に購入代金を出資してほしいんです”と丸め込み、金を引き出したわけです」
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