“史上最強”大阪桐蔭の「春夏連覇」を阻止できるか 対抗馬となりそうな有力5校の実力

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しのぎを削る全国のライバル校

 近畿以外の地区に目を移すと、やはり選抜でも力を見せた浦和学院、広陵、九州国際大付などが有力な対抗馬となる。浦和学院は、エースの宮城誇南が選抜以降、少し安定感を欠いているものの、ストレートの力は増しており、夏に向けてワンランク上のピッチングを目指している。打線は、プロ注目の大型ショート、金田優太を中心に強力で、春の関東大会でも安定した戦いで優勝している。関東では最も力のあるチームと言えそうだ。

 広陵は、プロ注目の内海優太や“広陵のボンズ”と呼ばれる真鍋慧といった大型打者が揃い、春の中国大会では決勝で創志学園に競り負けたものの、3試合で26得点を叩き出している。選抜まで背番号1を背負った森山陽一朗が調子を落としている一方で、他に力のある投手は多く、チームの総合力は全国で屈指だ。

 広陵を選抜で破った九州国際大付もまた、新チーム結成後、安定した戦いを見せている。強打の外野手である黒田義信、強肩捕手の野田海人、2年生とは思えないパワーを誇る佐倉俠史朗と、プロのスカウト陣が注目する野手が揃う。エースの香西一希も安定感は抜群で、7月3日に行われた福岡大会の1回戦でも圧倒的な攻撃力で順当に勝ち進んでいる。

 選抜出場を逃したチームでは、最速140キロを超える投手を10人以上揃える仙台育英、東東京でしのぎを削る関東一と帝京、練習試合で浦和学院、大阪桐蔭を破っている東海大相模、強力打線で春の北信越大会を制した日本航空石川なども面白いチームだ。

 圧倒的な強さを誇る、大阪桐蔭の春夏連覇は阻止するのは、一体どのチームになるのか。地方予選から目が離せない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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