立民・福山氏が「維新対策」で作成した選挙ポスター 「京都人のプライド」をくすぐったフレーズとは

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 参院選京都選挙区では、2議席をめぐって三つ巴の戦いが繰り広げられている。自民党新人、日本維新の会新人、そして4回連続で議席を守ってきた立憲民主党現職の福山哲郎・前幹事長である。追いすがる維新を振り払おうと必死の福山氏。とうとう政策論をかなぐり捨て、「京都人のプライド」に訴えかける戦法を繰り出した。福山氏の焦りが滲み出た「選挙ポスター」とは……。

 ***

「勤務時間中でしょう!」

 これまで京都選挙区は、福山氏と自民党候補が2議席を分け合う“指定席”であった。だが、維新が参戦を表明してから様相がガラリと変わる。京都は維新の本丸・大阪に隣するため、もろに維新旋風を受けてしまったのである。

「4月に維新が新人の楠井祐子氏を擁立してきた段階では、まだ福山さんに余裕があった。楠井氏の知名度がイマイチだったためです。しかし、選挙が近づくにつれて維新は猛追。一気に差を縮めてきた」(地元記者)

 その先頭に立ってきたのが、吉村洋文・大阪府知事だ。

「吉村さんは地の利を生かして、連日のように京都入り。京都でも吉村人気はすごく、結構な人が集まります。傍には今回、福山さんと袂を分かち、維新を支援している国民民主党の前原誠司さんも応援。福山さんも焦りを隠しきれず、演説で『吉村知事、勤務時間中でしょう! 仕事しないでいいんですか』とがなり立てていました」(同・地元記者)

前代未聞のポスター

 公示日が近づくにつれて焦り出した福山氏。一気に相手を引き離すべく取った起死回生策が「選挙ポスター」であった。

 選挙戦に入ると、選挙管理委員会が指定した公営掲示板以外では候補者のポスターが使用できなくなり、各党は政党ポスターに張り替える。その場合のポスターには、党首の写真とともに「比例は立憲へ」「生活安全保障」といった文言を入れるのが一般的だ。

 だが今回、福山氏が選んだポスターは度肝を抜く内容であった。

〈 まっとうな政治 京都のことは京都で決めよう。立憲民主党〉

 青一色のポスターに白地でこのフレーズだけ。これを数千枚、京都中の街角に貼り付けたのである。福山氏はこのポスターで何を訴えたかったのか――。

「これは京都人にしか響かないフレーズだと思います」

 こう語るのは、ある京都の政界関係者だ。

次ページ:「上京」ではなく「東下り」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。