「KDDI」通信障害は人災か? 「15分間の間隙」が生みだした重大事故と「400億円」個人補償の行方

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個人補償「400億円」

 しかし、KDDI側が犯した明らかなミスはあるという。

「情報の広報・周知の不足です。KDDI側がようやく“原因らしきもの”を公表したのは異常が起きてから15時間近く経った後でした。それまでアナウンスが不十分だったため、多くの利用者が原因も分からず不安に陥り、必死に電話を掛けようとして回線をさらにパンクさせる結果に繋がった可能性が指摘されています」(三上氏)

 本来であれば、現時点で分かっていることを小出しにする形となっても、情報を適宜発信していくことが最善の策だったという。

 岸田総理の指示で総務省職員が2日夜からKDDIに派遣されたのも「KDDIの情報発信の姿勢がお粗末だったことが一因」(前出・全国紙記者)とされる。

 同社の高橋誠社長が3日、「補償の検討」に言及したことで現在、被害回復法に焦点は移りつつある。ただし、「被害額の算定がまだ容易な法人が相手の場合はケースバイケースで対応する」(同)と見られるが、問題は個人補償をどうするかだ。

「携帯利用者の補償についてはKDDIの約款上は日割り計算となるため、現実問題として数百円にしかなりません。しかし事態の重大性を鑑みた際、これでは多くの人が納得しないでしょう。また個人の場合、実害に遭った人とそうでない人を線引きするのは非常に難しく、やるとすれば一律補償という線に落ち着かざるを得ないのではないか。最終的にはauポイントを契約者に“一律1000ポイント付与”するなどの案が考えられます。影響の出た3915万回線をベースに考えると、同ポイント付与だけでKDDIは約400億円を拠出することになります」(三上氏)

 この“代償”は高いか、安いのか。

デイリー新潮編集部

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