「吐きそうなくらい気持ち悪い」 45歳男性が「女社長」との不倫を妻に罵られカチンときたワケ

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「年齢なんてどうでもいい」

 5年ほど前、彼は仕事で17歳年上の女性社長と知り合った。

「最初、てっきり同世代、せいぜい3歳くらい上かなと思ったんですが、世間話をしていたら年齢がわかって……。彼女は『やだ、秘密にしてたのに、自分で言っちゃった』と笑い出した。それがとてもチャーミングで、ぐっと心を鷲づかみされたんです。当時、母が66歳、彼女が57歳、そして妻が32歳。客観的に誰がいちばん僕にとって魅力的かと考えたら、その女性社長だと感じました」

 母は彼にとっては毒親のようなもの。恨みつらみはもっていないが、あまり関わりたくない人のひとりだった。妻の紀代実さんは彼にとっては命の恩人で、彼を再生させてくれた人だ。そして女性社長である芙美さんは、彼を一目惚れさせた人。関係がはっきりしているより未知の人のほうが魅力的に見えるのは当然なのかもしれない。

「芙美さんが57歳に見えなかったのも確かですが、そうじゃなくて年齢なんてどうでもいいと思ったんです。好きという以前に、この人をもっと知りたい。ただそれだけでした。そして、そう思ったのは彼女が初めてだった」

 仕事がらみで、たまにランチをしたり、「今日はカフェでお茶を飲みながら打ち合わせしましょう」という芙美さんの言葉に甘えたり。いつ会っても楽しいこと、前向きなことしか言わない彼女にさらに心惹かれていった。

「たまにはディナーなんていかがですかと言ったのは僕です。すると彼女は『いいわね』と乗ってきた。忙しい人なのにわざわざスケジュールを調整してくれました。僕が店を考えていると、彼女のほうから提案してきて。気軽な店だからと言われて行ってみたら、ちょっとした小料理屋さんでした。個室でゆっくり話せましたね」

 彼女の人生を知りたかったのに、気づけば自分の人生を話していた。おとうさんはどうなったの、おかあさんはと聞かれて、彼は結局、蓋をしてきた自分の心の闇を彼女に話してしまっていた。自分が過去に、いかにわだかまりをもっていたか、そのことに気づかないふりをしてきたかが改めてわかったという。

「すると彼女がぐっと顔を近づけてきて、『いい? ここで話したことはもうすべてあなたの中から流れていった。もうこだわっちゃダメよ。あなたはがんばって生きてきたの。それだけでいいの』と。その瞬間、僕の中で何かが崩壊したんでしょうね。悲しいわけではないのに涙が止まらなくなった。芙美さんはそれでいいのよって頷いていました」

 その日はそのまま解散したが、彼は不思議でたまらなかった。自分が抱えている“何か”に芙美さんは気づいていたのだろうか。どうしてあれほど過去をすんなり吐露できたのだろうか。

 すでに恋をしていたから話せたのか、あるいは人として信頼できたからと彼の本能が判断したのか。それは彼にもわからないという。

「解散して帰宅しながら、乗換駅で突然、もう一度彼女に会いたくなった。もう、いてもたってもいられないほど。だから電話したんです。そうしたら彼女、自宅近くのバーにいるからと言ってくれて。それまで知らなかったけど彼女と僕、それほど自宅が遠くなかったんです。タクシーで駆けつけました」

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