カープ「秋山翔吾」強奪のウラに盟友「マエケン」復帰プラン 「2016年V」再現の現実味

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黒田・新井の名コンビ継承へ

 それにしても、広島にとっては鈴木本部長が秋山から入団の連絡を受け「えっ?まじ?」と動揺するほど、望外の朗報だった。
 
 チームは今季、首位ヤクルトに大差をつけられており、逆転優勝は容易ではない。しかし、来季以降に向けては開幕から計算できる戦力を補強した。そして2018年以来のリーグ優勝へ、あとはファンをも巻き込む影響力を持った選手さえいれば……。
 
 それがかつてのエースだ。

 2016年にメジャー移籍した前田健太(ツインズ)はかねて「最後は日本で終わりたいなって気持ちはもちろん(ある)」と語っている。今季はトミー・ジョン手術を受けた右肘のリハビリ中で、シーズン終盤での復帰を目指す。

 本格復帰は2023年だが、このシーズンでチームとの契約が満了する。その時35歳。年齢的にメジャーでの再契約は極めて厳しく、日本球界復帰は現実的な選択肢となる。

「どの程度、力を維持しているのかによるが、先発ローテーションで使える状態なら複数球団の争奪戦になる可能性はある。トミー・ジョンは復帰後1年目のシーズンは移植した靱帯がなじむ期間で、2年後に完全復活するケースが多い。大谷(翔平=エンゼルス)もそうだった。それがちょうど2024年」(MLB記者)

 その前年のオフには今回のソフトバンクのように資金力で広島に勝る球団も出てくるかもしれない。ただ、その時に秋山がいれば、復帰に追い風となる。秋山と2024年まで契約したということは球団にも大きな意味を持つ。

 2015年、黒田博樹が年俸20億円ともされたメジャーでの条件提示を蹴り、広島に「男気」復帰を果たした。盟友の新井貴浩も同時期に阪神から帰ってきた。この2人が投打の両輪として牽引し、チームは翌年、四半世紀ぶりの頂点へと突き進んだ。

 今度は秋山獲得を契機にマエケンを呼び戻し、新たな投打の名コンビを軸に最短で頂点に立つ――。「夢よ、再び」への布石は打たれている。

デイリー新潮編集部

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