〈鎌倉殿の13人〉“アサシン善児”で注目の梶原善 普段は「綺麗好きでお洒落な人」

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松重の紹介で劇団入り

 善児を演じているのが梶原善である。岡山県岡山市の出身で、三谷幸喜(60)主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」に入団したのが1985年、19歳の時だった。芸能記者は言う。

「地元の高校を卒業すると、『専門学校へ行きたい』と上京したそうですが、結果的に両親を騙すことになったそうです。忌野清志郎さん(1951~2009年)が常連だったという下北沢のラーメン屋でアルバイトをしていて、その店では、松重豊(59)や当時THE COATSというバンドを組んでいた甲本ヒロト(59)、山川のりを(56)らも一緒に働いていたそうです。梶原にとって、ヒロトは高校の同級生でもある俳優の甲本雅裕(56)の兄であり、山川は高校のバンド仲間でした。また松重とは高校時代からの知り合いだったそうで、その縁もあって三谷さんを紹介されたといいます」

 甲本雅裕は京都産業大学を卒業後に上京し、梶原の紹介でサンシャインボーイズに入ったという。

「ですから高校の同級生でも、梶原のほうが甲本より劇団員歴は古い。東京サンシャインボーイズでは、西村まさ彦(61)と相島一之(60)と並び、梶原も劇団の幹部とされていました」

 その後、チケットの取れない人気劇団に成長するが、94年の「東京サンシャインボーイズの罠」を最後に30年間の充電期間に入った。

「三谷さんもテレビの仕事をやるようになって忙しくなっていましたからね。また俳優たちにも映像の仕事をしてみたいという気持ちもあったそうです」

当て書き

 最初に売れたのは、94年にスタートした田村正和主演「警部補・古畑任三郎」(フジテレビ)の“今泉くん”こと西村(当時は雅彦)だった。

「古畑シリーズには梶原も何度か出演しましたが、彼の顔を広めたのは、松本幸四郎(現・白鸚)主演『王様のレストラン』(95年・フジ)でしょう。自分の料理に自信が持てない、ちょっとひねくれたパティシエ役を好演しました」

 以来、ドラマや映画、そして芝居に出続けている。なぜ今回、ここまで注目されているのだろう。演劇評論家の萩尾瞳氏は言う。

「梶原さんはこれまで、気弱でいい人だけど、やらかすタイプを演じることが多かった。しかし今までとは違い、今回の善児役は表情ひとつ変えず、グサッとひとつきで次々と仕留める落差もあると思います。そしてやはり、脚本が三谷さんというのが大きいでしょうね。三谷さんは当て書きで脚本を書くことで知られています。中でも梶原さんは、若い時から同じ釜の飯を食ってきた仲ですからね。演技力の確かな役者とそれをよく知る脚本家が組んだ勝利だと思います」

 ということは、梶原にはアサシンの素質があるということだろうか。

「いやいや、逆です。三谷さんは俳優の個性を踏まえて脚本を書くのではなく、むしろ真逆にしたら面白いと考えている、といった内容をご自分の連載で書いていたはずです」(萩尾氏)

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