秋山翔吾は“高額年俸”に見合うのか…メジャー出戻り選手の「厳しい現実」

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レギュラー争いは熾烈

 また、獲得に名乗りをあげると言われている西武、ソフトバンク、広島のチーム事情を考えても、秋山が無条件で外野のレギュラーを獲得できるほど、簡単ではないように見える。

 ソフトバンクは、栗原が不在とはいえ、柳田悠岐、グラシアルに加えて柳町達が台頭し、実績のある中村晃や上林誠知、ルーキーの正木智也も控えている。ある程度はチャンスを与えられても、結果を残せなければすぐにベンチという可能性も高いだろう。

 また、広島は野間峻祥が復調し、宇草孔基、中村健人、末包昇大などの若手が控えている。離脱中の西川が後半戦に戻ってくることを考慮しても、こちらも外野のレギュラー争いは熾烈だ。

 一方、古巣の西武は新外国人のオグレディ以外は流動的で最もチャンスはありそうだが、かつての活躍を求められるのは大きなプレッシャーになるだろう。

 補強期間の終了まであと約1ヵ月。かつてのヒットメーカーは、どんな決断を下すのだろうか……今後の動向に注目したい。

【2011年以降、メジャーから日本球界に復帰した野手の成績一覧】
※年齢は復帰した年の満年齢。年俸は復帰1年目の推定年俸。中島はメジャーでのプレー経験なし。

松井稼頭央(2011年楽天・36歳・年俸1億5000万円)
139試合 140安打9本塁打48打点15盗塁 打率.260

岩村明憲(2011年楽天・32歳・年俸1億5000万円)
77試合 32安打0本塁打9打点0盗塁 打率.183

西岡剛(2013年阪神・29歳・年俸2億円)
122試合 144安打4本塁打44打点11盗塁 打率.290

福留孝介(2013年阪神・36歳・年俸1億5000万円)
63試合 42安打6本塁打31打点0盗塁 打率.198

田中賢介(2015年日本ハム・34歳・年俸1億5000万円)
134試合 151安打4本塁打66打点9盗塁 打率.284

中島裕之(2015年オリックス・33歳・年俸3億5000万円)
※現在の登録名は中島宏之
117試合 100安打10本塁打46打点1盗塁 打率.240

川崎宗則(2017年ソフトバンク・36歳・年俸9000万円)
42試合 33安打0本塁打4打点0盗塁 打率.241

青木宣親(2018年ヤクルト・36歳・年俸3億3000万円)
127試合 162安打10本塁打67打点3盗塁 打率.327

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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