秋山翔吾は“高額年俸”に見合うのか…メジャー出戻り選手の「厳しい現実」

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軒並み成績を落とす復帰組

 プロ野球のペナントレースはまもなく折り返しを迎えるが、ここへ来て大きなニュースが飛び込んできた。昨年まで2年間レッズでプレーし、今年はパドレスのマイナーに所属していた秋山翔吾が日本球界復帰を決断したのだ。【西尾典文/野球ライター】

 これに対して古巣の西武、栗原陵矢が長期離脱中のソフトバンク、さらには西川龍馬が戦列を離れている広島の3球団が獲得に動くと報じられている。

 首位打者1回、最多安打4回のタイトルを獲得し、ゴールデングラブ賞も6度受賞している球界を代表する外野手だけに、どの球団も高額年俸を提示することは間違いないだろう。

 どの球団も秋山獲得となれば当然、主力としてかかる期待は大きくなるが、過去にメジャーから復帰した選手はその期待と大型契約に見合うだけの活躍をすることができているのだろうか。2011年以降メジャーから日本球界に復帰した野手に絞り、復帰1年目の成績一覧をまとめてみた(文末に一覧表を記載)。

 アメリカへ渡る前と同程度の成績を残すことができたのは、田中賢介(日本ハム=当時)と青木宣親(ヤクルト)の2人だけで、軒並み成績を落としている。松井稼頭央(楽天=当時)と西岡剛(阪神=当時)は1年目こそレギュラーと言えるだけの結果を残したが、西岡は故障もあって翌年以降、ベンチを温めることが多かった。

 また、福留孝介(阪神=当時、現・中日)は2年目以降に巻き返したものの、岩村明憲(楽天=当時)と川崎宗則(ソフトバンク=当時)は、ほとんど戦力になることなく、球団を去った。このように、トータルで考えて高額な年俸に見合うだけの活躍をした“日本球界への出戻り選手”は限られている。

“不安要素”はメジャーでの成績

 話を秋山に戻すが、年齢は34歳で、田中や青木の例を見てもまだ力を発揮できる余地はあるように感じられる。しかし、気になることは、過去2年間のメジャーでの成績である。

 守備では、度々好プレーを見せていたものの、バッティングは142試合に出場して打率.224、本塁打0と、寂しい数字に終わっている。同じ外野手で日本復帰後にも戦力となった福留(2年目以降)、青木がメジャーでもレギュラーとしてプレーしていたことを考えると、秋山の米国での成績は大きな“不安要素”と言えるだろう。

 そんな秋山に対して、ある球団の編成担当に話を聞いたところ、以下のような回答が返ってきた。

「日本での実績は申し分ありませんし、年齢を考えればまだまだ戦力になる可能性は高いと思います。ただ、米国に行って怪我もしていますし、西武でプレーしていた頃の成績を求めるのは厳しいでしょう。あとメジャー帰りの選手はFAと同じでどうしても年俸が高くなるので、周りからの目も厳しくなります。生え抜きのスター選手としてプレーしていた頃とはそこも大きく違う点ですよね。以前は、メジャーでの経験を伝えるという要素が大きかったですが、最近ではそれも珍しくなくなっている。単純に実力で勝負するしかないですね。ただ、秋山選手の場合はコミュニケーション能力が高く、その人柄もあってプレー以外でチームに与えるプラスもあると判断することが十分に考えられます。特に、ソフトバンクはかなり熱心なようですし、どこに決まっても大型契約になると思います」

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