皇宮警察が「中国人皇居内侵入」事件を隠蔽していた “危険人物”が1時間にわたり徘徊

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不審な中国人男性が皇居内を1時間にわたって徘徊

週刊新潮」は6月23日号で、皇族方への聞くに堪えない陰口や、庁舎で行われた飲み会でのボヤ騒動など、皇宮警察をめぐる不祥事について報じた。だが、問題はこれだけではなかった。スパイの可能性がある中国人の皇居内への侵入を許すという前代未聞の失態を引き起こし、しかもその事実を隠蔽していたのだ。

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「一昨年の10月19日、不審な中国人男性がおよそ1時間にわたって皇居内に侵入、自由に徘徊するという事案が発生しました」

 と明かすのは、ある皇宮警察OB。

「男性は当日、皇居内にある宮内庁書陵部が所蔵する資料の閲覧に訪れていました。ところが、本来なら利用者は最寄りの北桔橋(きたはねばし)門を通って皇居から退出すべきところ、男性は帰りに本丸から百人番所を経て、境界柵を不正に越えてしまったのです」

 そこから、思いもよらぬ展開へ……。

「車馬課の前を通って宮内庁庁舎へと入り込んだ彼は、地下の食堂で昼食までとっています。その後は、宮殿の西玄関から北庭へと抜け、盆栽の仕立て場である大道庭園へ。引き返したところ、ようやく賢所通用門近くの『吹上仲門』で身柄を確保されたのです」(同)

 その後、男性は身柄を確保されたが、問題なのは、徘徊ルート上の庁舎近くには坂下護衛署の供溜(ともだまり)警備派出所が置かれていたにもかかわらず、護衛官はこの男性をそのまま通していたという点である。

組織内部で箝口令が敷かれ…

 あろうことか、この失態は隠蔽されていた。

「当時、警察庁警備局長だった大石吉彦・警視総監は、ことの経緯を聞かされて激怒し、直ちに自ら皇居へ視察にやってきました。その後は箝口令(かんこうれい)が敷かれたまま本部長指揮事件として、特別警備隊の置かれている部屋に捜査本部が極秘で立ち上げられ、警視庁公安部も加わって捜査が進められました。今に至るまで、この事実は隠蔽され、本部内でも一握りの者しか知らされていません」(同)

 当の徘徊中国人はその後、「警察的な観点から相当危うい身元の人物」だと判明。国家の安全保障を揺るがしかねない事件だったといえるのだ。

 組織のトップである松本裕之・皇宮警察本部長に取材すると、

「私は個別には対応しませんので、広報を通して聞いていただけますか。では失礼します」

 と、呑気に答えるのみ。だが、皇宮警察をめぐる不祥事はこれだけではない。6月23日発売の「週刊新潮」では、この中国人侵入事件の詳細と共に、皇宮警察の他の不祥事についても詳しく報じる。

週刊新潮 2022年6月30日号掲載

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