攻めてる「Eテレ仕掛け人」が仇?前田会長肝いりNHK「若者ターゲットゾーン」は大苦戦中

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軽い番組にすべきでは?

 若者にターゲットを絞る戦略は相当難しい。そもそも観ないのだから。戦略を軌道修正すべきではないか。

 また、「プライム帯・若年層ターゲットゾーン」のEテレ化は視聴者の支持を得ているのだろうか。

 民放の場合、最終版のニュースと軽い番組を織り交ぜているのは知られている通り。民放のマネなどしたくないというのが本音だろうが、視聴者の生活サイクルには抗えないだろう。

 NHKは1999年から2010年まで週末の深夜にネタ見せ番組「爆笑オンエアバトル」を放送していた。博多華丸・大吉やおぎやはぎ、バカリズム(47)らをスターにした。名番組だった。そろそろ復活させてもいいのではないか。就寝前に軽い番組を観たい人は少なくないはずだ。

 深夜帯だけではない。いつの間にかNHKからお笑い番組が激減している。今のNHKはお笑い番組を軽視しているように見えてしまう。

 2012年に始まった内村光良(57)の「LIFE!~人生に捧げるコント~」は年に数回の不定期放送になってしまっている。「ママさんバレーでつかまえて」(2009年)や「祝女」(2010年~2012年)のようなコメディーも消えた。

 視聴者参加型の「着信御礼!ケータイ大喜利」(2005年~2017年)もない。あって当たり前と思っていた「コメディーお江戸でござる」(1995年~2004年)も消え、復活することはないだろう。

 お笑いなど軽い番組も重視すべきだろう。求めている視聴者はいるのだから。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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