公明党の推薦はいらないという岡山「自民党参院議員」 地元の県議は「えらい迷惑な話だ」

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 7月に行われる参院選挙で、岡山選挙区(定数1)が注目されている。今年1月、自民党現職の小野田紀美議員(39)が、公明党の推薦を拒否する内容のツイッターを投稿。怒った公明党は5月26日、中央幹事会で彼女を推薦することをやめ、自主投票とすることを正式に決定したのだ。自公連立政権の下、前代未聞の出来事に、地元の自民党県連に激震が走った。 

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 1月15日、公明党の山口那津男代表が地方組織幹部とのオンライン会議で、参院選の32の改選1人区を中心に自民党候補者への推薦見送りを検討していることを伝えた。自民党は埼玉、神奈川、愛知などの改選複数選挙区で、自民党候補と競合する公明党候補への推薦に難色を示したことが背景にある。

 すると、同日、それに反応するように小野田議員がツイッターにこう投稿したのだ。

《政党が違うのですから、選挙は他党の推薦ありきでやるのではなく、それぞれ自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推薦見送り検討、共感します。お互いそれぞれ頑張りましょう!ってやつですね!》

 自公連立政権の下、両党は選挙でも協力関係にある。旧来の自民党票は減る一方で、今や無党派層が勝敗のカギを握ると言われる時代。そのため、多くの自民党国会議員は、公明党・創価学会票を当てにしている。公明党が推薦見送りを検討すると言った段階で、あっさり「それで結構です」と言い出すとは異例の反応というわけだ。

モデルも務めた

 このツイッターに対して、好意的なコメントが多数寄せられた。

《その通り!自民党は目を覚ませ!》

《小野田さん凄いぞ、真の自民党に立て直してください。応援をしてますよ。》

《小野田さん、私は党員ですが、あなたの言う通りだと思います。自民党は公明と手を切るべきです。》

 小野田議員は、米国イリノイ州シカゴ出身で、父親はアメリカ人、母親は日本人で、1歳から母親の地元の岡山県瀬戸内市へ。拓殖大学政経学部政治学科を卒業後、ソニー銀座プレイステーションのアテンダント(接客係)やモデルを務めた。TOKYO自民党政経塾を経て2011年から東京都北区議を2期務めた。

 そして2016年、参院選に岡山選挙区から出馬、初当選した。

 今回の参院選で岡山選挙区から5人が立候補する。小野田議員以外では、共産党新人の住寄聡美氏(39)、NHK党新人の水田真依子氏(40)、諸派新人の高野由里子氏(46)、無所属新人で立憲民主党と国民民主党推薦で元玉野市長の黒田晋氏(58)の4人。黒田氏は公明党にも推薦を求めたが、断られた。地元では、小野田議員と黒田氏の事実上の一騎打ちと言われている。

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