大谷翔平の休養日が増えた深い理由 エンゼルス、マドン排除の裏で「放出」へ準備着々

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「2年契約」は大失態

 エンゼルスは、球団オーナーのアート・モレノ氏(75)の肝煎りで招聘した指揮官を排除してまで、なぜ大谷の起用法に関与する必要があったのか。「大谷との次期契約に向けた思惑が多分に絡んでいると思う」と推察する。

 大谷は2023年オフ、29歳の時にフリーエージェント(FA)になる。17年オフの日本ハムからのメジャー挑戦時には、200億円規模の契約の価値がある選手と評価されながらも、年齢制限の規定により18年の年俸は5000万円程度のメジャー最低保障からスタート。3年目の20年まで同水準だった。

 年俸調停の権利を得た同年オフには調停を寸前で回避し、今季まで2年総額850万ドル(約8億9000万円/レートは当時、以下同)の契約を結んだ。その1年目が昨季の大活躍だった。

「この契約は、我々代理人の間ではネズ・バレロ(大谷の代理人)の大失態になっている。特に2年目。単年契約にとどめておけば、昨オフも年俸調停の権利を持っていたため、当時の最高額(現ドジャースのムーキー・ベッツが、レッドソックスと20年1月に結んだ2700万ドル=約29億7000万円)を超えていた可能性が高い。球団にしてみれば、してやったりの契約で、メジャー史に残る選手を破格の安さで2年間も雇えている」

シャーザー超えのオファーが必要

 今後の最大の焦点は、エンゼルスが大谷のFA権取得前に大型契約を結ぶかどうか。米メディアによると、今春のキャンプ中、球団はバレロ氏と会談し、マックス・シャーザー(メッツ)のメジャー最高年俸4330万ドル(約58億円)を超えるオファーが大谷には必要との認識を示したという。

 それでも、契約年数を含めた具体的な提示には至らず、「球団は、大谷が年齢的にどこまで二刀流が継続できるかを慎重に探っている。中軸と先発投手という今のスタイルでは持っても3年。いずれは打者中心になり、投手はやってもリリーフだろう。球団は5~7年の長期契約は提示したくない。大谷の代理人も今度は妥協しないだろうから合意は一筋縄ではいかないが、球団は慌てる必要はない」。

 その上で、エンゼルスがあるプランを温めていると推測する。

「来季優勝の可能性が低くなれば、大谷をトレードで出すことが選択肢にあるはず。大谷なら他球団の若手有望株を大量に獲得できる。これでチーム再建に道筋がつく」

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