「トップガン」大ヒットも、日米で「戦闘機パイロット」が不足 離職者続出で「現場はブラック企業のよう」

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 トム・クルーズ主演の「トップガン マーヴェリック」が話題だが、人気があるのは映画の世界だけ。現実の戦闘機乗りの方は、意外にも不人気だとか。そこには日米に共通の抜き差しならぬさる事情があるという。

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 本作の興行収入は、すでに北米で3億ドルに達する見込みである。また、日本国内でも50億円の興収達成が確実視されている。

 まさに、36年ぶりの「トップガン」ブームが日米で起きつつあるのだが、その流行を嗅ぎつけてか、米国内ではある動きが起きていた。

「アメリカ海軍が『マーヴェリック』を上映している映画館にブースを設置し、リクルート活動を開始しています。海軍所属パイロットの物語ですからね。作品のクールなイメージを求人に利用したいのでしょう」(軍事ライター)

民間との給料の格差が

 背景に慢性的な人手不足があり、花形の戦闘機パイロットも例外ではないという。

「任務の過酷さや危険度に比して、報酬が少ないと現場から不満の声が上がっている。米国では毎年、相当な数の戦闘機乗りが民間航空会社に転職するといわれています」(同)

 もっとも、事情は本邦も同じだと言うのが、元航空自衛隊空将の織田邦男氏(70)だ。

「自衛隊の戦闘機パイロットの不足も、今に始まったことではありません。私が現役の頃から、操縦士として一番脂の乗った30代や40代のパイロットが退職してしまう。理由は端的に民間との給料の格差です」

 織田氏によれば、自衛隊員の給与は他の国家公務員と同程度。だが、戦闘機乗りには、基本給に加えてその80%が飛行手当として支給される。それにもかかわらず、

「自衛隊の戦闘機パイロットの年収は1千万円に満たない。JALやANAの機長になれば、約3千万円もの年収を得られるわけです。しかも、年齢と共に階級が上がれば地上勤務が増えて、その分、飛行手当が減る。民間との差がますます広がり、転職を考えるようになってしまう」(同)

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