「じゃない方芸人」と呼ばれた麒麟・川島はなぜ“逆襲”できた? ノブコブ徳井が考察

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誰かがスベッたとき、全部自分の責任にできる覚悟と実力

 田村さんの隣にいる「じゃない方」の川島さんの才能をいち早く見抜き、その才能とやる気が腐ってしまう前に愛と栄養を与えるべく、川島さんをご飯に誘い続けたのだろうと僕は思う。

 大阪から上京して、東京でなかなかうまくいっていなかった千鳥さんやダイアンの「取り扱い説明書」も、東野さんは惜しみなく視聴者とスタッフに披露し続けた。

 そんな恩を返すかのようにいま、川島さんは「ラヴィット!」でMCをやっているんだと勝手に想像する。

 MCというのは言わずもがな、番組の「看板」だ。ウケたときだけでなく、誰かがスベッたときも、全部自分の責任にできる覚悟と実力があるかどうか。川島さんは確実にその覚悟を決めていて、元来持っている品格とどんどん高みに達する実力を武器に若手芸人をさばき、彼らに新たな道筋を与えていっている。

「相席スタート」の、特に山添寛の覚醒は「ラヴィット!」がきっかけだし、川島さんは確実に一役も二役も買っているだろう。

 そんな「相席スタート」も、山添と山崎ケイちゃんの二人とも品のあるコンビだと僕は感じているがその話はまた次回に取っておく。

ため息が出るくらいの切れ味とスピード

 川島さんの出ている番組を観ていると、ため息が出るくらいの切れ味とスピードを何度も目にする。そんな中、先ほどの「土曜日のエウレカ」に話を戻す。

 あの番組で川島さんは、徹底的に聞き役に回っていた。

 そのひと月後、光栄なことに鈴木おさむさんからご指名を受け、bay FMで「シン・ラジオ」というラジオ番組のマンスリーレギュラーに選んでもらった。

 一応、ラジオ番組もやったことはあったので、初回はのびのび自分なりに、面白おかしくやってみた。

 が、非難ごうごうだった。

「AMラジオじゃないんだから」

「深夜のFMなら聴くけど」

「言葉遣いが汚い」

 などなど、久し振りにめった撃ちな批判コメントの数々を喰らった。

「関係ねぇーよ、自分が面白いと思ったことをやるまでだ」

 そんなことが頭をよぎったりもした。

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