スシロー「おとり広告」は“確信犯”の根拠 吉野家と比較してダメージはどちらが大きい?

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 MBSニュースは6月9日、「【速報】“おとり広告”で『スシロー』に措置命令『キャンペーンの寿司がない!』CMで宣伝の寿司ネタを『店舗で販売せず』」の記事を配信、YAHOO!ニュースのトピックスにも転載された。

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 公正取引委員会のプレスリリースやMBSニュースの記事によると、

【1】新物!濃厚うに包み(税込110円)[2021年9月8日~20日]

【2】とやま鮨し人考案 新物うに鮨し人流3種盛り(税込528円)[同年9月8日~10月3日]

【3】冬の味覚!豪華かにづくし(税込858円)[同年11月26日~12月12日]

のキャンペーンで、

《テレビCMやインターネットで宣伝しましたが、キャンペーン期間中にその商品を1日以上販売していなかった店舗が全体の9割》

 だったことが、公正取引委員会の調査で明らかになったという。

 ひどいケースとしては、《キャンペーンの初日から商品を販売していなかった店舗があった》ことも判明したそうだ。担当記者が言う。

「スシローは広告で、アリバイ的に“売切御免”と書き入れていましたが、そもそも店舗によっては、キャンペーン初日に訪れても商品はなかったわけです。ここまであからさまだと、さすがに問題発覚は時間の問題だったでしょう。TwitterやYAHOO!ニュースのコメント欄では、『売り切ればかりでおかしいと思っていた』という投稿が相次ぎました」

品切れだったウニ

 おまけに、これだけ大きく報道されても、テレビではスシローのCMが流れ続けた。

 ワイドショーの「ひるおび」(TBS系列・平日・10:25)が“おとり広告”について大きく取り上げていたのだが、CMになるとスシローの“売切御免”のCMが放送されていたのだ。

 TwitterなどのSNSでは、スシローだけでなくTBSに対しても、疑問や違和感を指摘する投稿が相次いだ。ちなみに6月14日の段階でも、スシローは“売切御免”を小さく記載したテレビCMを放送した。

 フードサービス・ジャーナリストの千葉哲幸氏は「私もウニが品切れだったことがありました」と言う。

「最初に訪れた時はウニを食べることができましたが、キャンペーンの期間中に再訪すると、もう品切れになっていました。その時は『キャンペーンの目玉商品を切らすなんて、ずいぶんと杜撰だな』と思っただけでしたが、今となっては『なるほど、分かっていたのか』と腑に落ちる点があります」

 千葉氏によると、スシローは宣伝に熱心で、新キャンペーンや新商品を展開する際は会見が設定されることも珍しくないという。

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