「戦場にいない間、全てを忘れたい」と語るウクライナ兵 50日間現地取材した記者が明かす戦地のリアル
「プーチン」「ゼレンスキー」「NATO」……。日々飛び交う固有名詞に、我々は戦争を知った気になる。だが、戦時という非日常を日常のものとして生きる名もなき兵士や市民の現実を、果たしてどれだけ分かっているか。現地50日間の取材に基づく「ウクライナ戦記」。【水谷竹秀 / ノンフィクション・ライター】
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ホテルのバーカウンターで白ワインを飲んでいた。
隣の席にTシャツ姿の若い男性がやって来て、バーテンダーにビールのおかわりを注文した。...