「服を脱げ」子どものすぐそばで母親を強姦、父親は銃殺 ロシア兵の許されざる蛮行

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 戦争の局面は完全に変わった。目を覆いたくなる惨状が次から次へと明るみに出てきているからである。ロシアとウクライナ、どちらが優勢か以前に、世紀の戦争犯罪が現在進行形で続いているのだ。略奪、性暴力、大虐殺。許されざる「プーチンの非道」の全貌を暴く。

※性的暴力に関する記述が含まれます。

 ***

「パパのためにドーナツを買って帰ろうよ」

 ウクライナ西部の都市・テルノーピリで避難生活を送る4歳の息子が言う。33歳の母親は真実を語ることができない……。

 1カ月前の3月9日、首都キーウ(キエフ)近郊に位置するシェフチェンコヴェ村の小さな集落にロシア兵が押し寄せていた。深い松林の隣に居を構えていた一家は、無抵抗の証として門に白いシーツを被(かぶ)せる。だが、「プーチンの僕(しもべ)たち」には何らの意味も成さなかった。

 ふたりのロシア兵が一家に踏み込んでくる。彼らはまず一家の飼い犬を撃ち殺した。次に35歳の父親。ボイラー室に隠れた息子は何も見ていない。そしてロシア兵たちは「第三の獲物」に照準を定める。

「黙れ」

 頭に銃口を突き付けられた母親は抵抗できない。

「さもないと子どもを捕まえて、お前の脳みそが家中に飛び散るところを見せるぞ!」

 次の瞬間、ロシア兵から悪魔の言葉が降り注ぐ。

「服を脱げ」

 ふたりのロシア兵が代わる代わる母親の身体を貪(むさぼ)る。ボイラー室の息子は泣きじゃくっている。

「息子を黙らせろ」

遺体を目にした息子は…

 ロシア兵たちは数時間にわたって行為に及んだ。そして、ことを済ませると酒を呷(あお)り酔い潰れた。鬼畜の酒池肉林、この世のものとは思えぬ阿鼻叫喚。

 酔態となったロシア兵の隙を突き、母親はボイラー室の息子を救い出して宵闇のなか脱出を試みる。家を離れる刹那、息子は前庭に転がる「遺体」を目にして母親に尋ねた。

「僕もこの人と同じように撃たれるの?」

 暗さでそれが誰だか分からない。つまり息子は知らない。父親が殺されたことも、母親が辱(はずかし)められたことも。だから息子は無邪気にせがむのだ。「パパにドーナツを」と、今でも――。

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